いくぜ!!

笠「今のダンクはチームに活力を引き出す。点数より遥かに価値のあるファインプレーだ」



誠凛メンバーもベンチに戻っていく中、火神は雪乃に話しかける。



火「雪乃…くやしいけどカントクの言う通りだわ。正直跳ぶのはキチー…あとはだましだましで緑間のマークをやるしかねー。だから…あんまり言いたかねぇけど…あとは頼む…」



火神は雪乃の肩を軽くたたく。



『…はい』



先ほどの雨はいつの間にか止んでいた。









―――都内の某高校




体育館では男が壇上にだるそうに寝そべり、指先でボールを回していた。



?「あー…ダリー…動きたくねぇ〜つかもうトシかな〜ガッツでねぇ〜……パン食いて〜」

?「あーやっぱいたぁ!青峰君!!」

青「んぁ?」



すると体育案に女の子が入ってきて、男に声をかけた。
青峰と呼ばれた男は声のした方に顔を向ける。



?「ちょっと!また仮病で試合休んだの!?」

青「だぁあって、どうせ勝つよーめんどくせー」

?「もう!あと今、ユキちゃんのとこもミドリンと試合してるらしーねっ!」

青「へーほー」

?「まーやっぱ、ユキちゃんかな。なんたって私が惚れた女だしね!」



彼女の名前は桃井さつき。元帝光中バスケ部のマネージャー。
さつきはアイスを食べながら自信ありげに話した。


桃「って聞いてる?」

青「あーんー聞いてるよ、鉄火丼ねーオレあんまり好きじゃないなー」

桃「聞いてないじゃんっ!!」









秀徳のタイムアウトが明けてから、誠凛は雪乃のパスを中心に怒涛の攻めを見せていた。
そして雪乃のパスをもらった日向が3Pをきめた。



観「うぉおきたぁあ!!」





3:02
誠凛 秀徳
74 78





観「あのダンクから誠凛が盛り返してきた」

観「すげぇ、ついに2ゴール差まで…」



雪乃は緑間に近寄る。



『緑間君は昔、ダンクは2点しか取れないシュートと言ってました。君の3点(スリー)は確かにすごいです。けど私はチームに勢いをつけたさっきのダンクも点数以上に価値のあるシュートだと思います』






青「…さっきの予想だけど、試合終わってみねーとマジわかんねーよ。どっちも土壇場に強−からな〜、伊達に全中三連覇はしてね〜よ〜?」





タイマーは2;58を経過した。



観「3分切った!!」



緑間の目つきが変わった。





『いくぜ!!』完