また…やりましょう
高「あれっ?もしかして海常の笠松さん!?」
笠「なんで知ってんだ?」
高「月バスで見たんで!!全国でも好PGとして有名人じゃないすか」
高尾は笠松を見てはしゃいでいる。
高「ちょっ…うぉっ…!!同じポジションとして話聞きてーなぁ!!ちょっとまざってもいっすか!?」
日「え…?てか正直今祝勝会的なムードだったんだけど…」
高「気にしない気にしない!!さ、笠松さん」
笠「あぁ…いいけど」
高尾は笠松を連れて誠凛メンバーがいる畳側の席に座った。
結果…
緑間が笠松の席に座ることになり、雪乃の隣に黄瀬、その前に火神と緑間が座ることになった。
先ほどよりさらに気まずい雰囲気が流れる。
誠「(あの席パネェ!!)」
リ「ちょっとちょっと、チョーワクワクするわね!?」
笠「オマエ、これ狙ってただろ」
高「えー?まっさかー*」
リコと高尾だけが楽しそうだった。
いまだに雪乃たちの席では誰もしゃべろうとはしない。
『…とりあえず何か頼みませんか』
雪乃がメニューを見始めた。
黄「オレもうけっこう一杯だから、今食べてるもんじゃだけでいっスね」
緑「よくそんなゲ〇のようなものが食えるのだよ」
黄「なんでそんなこと言うっスか!!?」
火「いか玉ブタ玉ミックス玉たこ玉ブタキムチ玉…」
黄「なんの呪文っスかそれ!?」
緑「頼みすぎなのだよ!!」
『大丈夫です、火神君が一人で食べますから」
黄・緑「ホントに人間か!?」
それぞれお好み焼きが来て、焼き始める。
火神だけお好み焼きは雪乃と緑間のものと比べて、3倍くらい大きかった。
緑間は目を閉じ腕を組んで、不機嫌そうな顔をしていた。
黄「緑間っちホラ、コゲるっすよ?」
緑「食べるような気分なはずないだろ?」
黄「負けて悔しいのは分かるっスけど…ホラ!昨日の敵はなんとやらっス」
緑「負かされたのはついさっきなのだよ!むしろオマエがヘラヘラ同席している方が理解に苦しむのだよ。一度負けた相手だろ?」
緑間は黄瀬を睨む。
黄「そりゃあ…当然リベンジするっスよ。インターハイの舞台でね」
黄瀬はヘラで雪乃と、お好み焼きを咥えている火神を指す。
黄「次は負けねっスよ」
火神はお好み焼きを飲みこむ。
火「ハッ、望むとこだよ」
緑間は静かに黄瀬を見ていた。
緑「黄瀬…前と少し変わったな」
黄「そースか?」
緑「目が…変なのだよ」
黄「変!?まぁ…雪乃っちとやってから、前より練習するようになったスかね」
そのころ、畳側の席では小金井がひっくり返したお好み焼きを高尾が皿でキャッチしたり、高尾が高くお好み焼きをひっくり返したりと楽しそうだった。
黄「あと最近思うのが…海常のみんなとバスケするのがちょっと楽しいっス」
黄瀬の表情は穏やかだった。
緑「……どうもカン違いだったようだ。やはり変わってなどいない。戻っただけだ、三連覇する少し前にな」
緑間もお好み焼きを口にする。
『…けど、あの頃はまだみんなそうだったじゃないですか』
緑「オマエらがどう変わろうが勝手だ。だがオレは楽しい楽しくないで、バスケはしてないのだよ」
火「………」
火神は緑間の言葉に溜息を吐く。
火「オマエらマジゴチャゴチャ考えすぎなんじゃねーの?楽しいからやってるに決まってんだろ、バスケ」
緑「なんだと…」
緑間は火神を睨む。
緑「……何も知らんくせに、知ったようなこと言わないでもらおうか」
その時、緑間の頭にお好み焼きが降ってきた。
高「あ」
犯人は高尾らしい。
緑間の顔に青筋が浮く。
緑「…とりあえずその話は後だ」
緑間は立ち上がり、高尾の元へと行く。
緑「高尾、ちょっと来い」
高「わりーわりー…ってちょっスイマッ…なんでお好み焼ふりかぶってん…だギャー!!」
高尾の悲鳴が店内に響いた。
『火神君の言う通りです。今日試合して思いました。つまらなかったらあんなに上手くなりません』
緑間君は昔から練習の後も居残って、シュート練習を欠かさずやってたのを知っていますから。
きっと今でもやっているのでしょう。
日「お、雨やんだんじゃね?」
小金「ホントだ」
リ「じゃーいい時間だし、そろそろ帰ろかー」
火神は大量のお好み焼きをキレイに平らげ、おなかは妊婦のように膨らんでいる。
それを見ていた黄瀬と緑間は驚愕していた。
『また…やりましょう』