バカじゃ勝てないのよ!

日「うわちゃ〜こりゃオレら全員がかりで教えるっきゃねぇな」

火「え…?センパイ達教えるほどみんな頭いいの?ですか?」



再びリコは火神に跳び蹴りをくらわす。



日「ったりめーだ、とりあえずオマエよりはな」





前回の実力テスト順

リコ  2位/305人
小金井 52位/305人
伊月  71位/305人
水戸部 74位/305人
土田  81位/305人
日向  112位/305人





二年生の成績に火神はショックを受けた。



火「え…ちょ…カントク…2位!?そんな頭いんすか!?でも主将(キャプテン)はメガネのわりに思ったより…」

日「メガネが全員頭いいと思うなよ!!てかまん中より上だからいんだよ!!」

火「バスケできりゃー勉強なんてどーでもいーじゃ…いてぇ!!」



火神の言葉にリコがチョップをかます。



リ「バスケはバカでもできるわ!けどバカじゃ勝てないのよ!」



リコの言葉に再びショックを受ける火神。









その日の夜、リコの家。



リ「実力テストは主要5科目!!みんなそれぞれ得意科目があるから、スペシャルチームを編成したわ!」





理科(物理・科学・生物)→水戸部
国語(現代文・古文・漢文)→雪乃
数学(数学T・数学A)→伊月
社会(日本史・世界史・地理)→日向
英語(長文読解・英文法)→土田
総指揮→リコ



バカガミ 学力アップスペシャルチーム





リコは眼鏡をかけ、指揮棒を持っている。



火「小金井センパイは?」

小金「オレは寝そうになった火神をはたく役」

リ「小金井君は得意科目も苦手科目もないわ!」



小金井の手には大きいハリセンを持っていた。



リ「寝る間も惜しんでいくわよっ!!」

火「惜しむっつーかどこにもねぇ!!?」



壁には円グラフが書き出されており、その円グラフにはほぼ勉強という言葉が占めていた。
そこには就寝という言葉はどこにも入っていない。



火「ちょっ…徹夜とか能率が悪いっ…てゆか…」

リ「いっちょまえに能率とかぬかすなー!!人間二日ぐらい寝なくても死なないわよ!まずは数学から!!」

火「帰りてぇ〜!!」





そんな中、雪乃は昔を思い出し笑っていた。



(分かんねーよ!なんて日本人が英語勉強しなきゃなんねーんだよ!)

(そーっスよ、数学だって大人になったら使う機会なんてないんスから、勉強する意味なんて…)

(黙れ二人とも、試合に出れなくてもいいのか)

((うっ))



『フフッ』

火「おい、何雪乃笑ってんだよ!?」









次の日の学校、火神は目の下に隈を作り、両頬には小金井に叩かれたのか赤く腫れている。
今は単語帳を見て、勉強をしている。



『大丈夫ですか』

火「……タヒぬ…!」

日「火神ー、昼は図書室でやるぞー」

火「…うーす」



日向の言葉に力なく返事をする火神。



火「マジでタヒにそーだけど、なぜか昨日黄瀬からメールきた」

『あ、私が教えました』

火「勝手に教えんなよ!!…ちなみに黄瀬と緑間って勉強できんのか?」

『緑間君はできます。黄瀬君はイマイチです』

火「………まぁ、そのメールが…」





To 黄瀬涼太
件 この前
―――――――――――
言い忘れたけどウチは
I・H出場決まったっス
よ。早くリベンジされ
にこい!!






という内容だった。



火「決勝リーグ勝たなきゃI・Hには行けねー。勝ってもバカじゃ勝てねー。『キセキの世代』倒して日本一になるっつったのに、こんなことでつまずけるか!」

『…火神君、もしどうしてもダメだったら…これを』

火「…これは?」



雪乃が取り出したのは鉛筆だった。



『緑間君が昔くれた最後の手段。湯島天神の鉛筆で作ったコロコロ鉛筆です』

火「いるかっ!!」



火神は鉛筆を投げ捨てる。









テスト当日の朝5時―――





火神は今日もリコの家でテスト勉強中だった。
今日は日向が教え、小金井も眠気防止のためにいる。



リ「…まいったわね〜、あと一教科…国語だけどーしても伸びないわ…」



リコは火神の模擬試験を見てため息をつく。



日「漢字がダメすぎんだよなー、文章読むのも一苦労なんだよ」



火神は古典の教科書を見て、頭に?を浮かべている。



リ「…よし!こうしましょ。国語は捨てる(パス)!」

日・小金「え!!」

リ「テストはマークシート方式だし、テキトーにうめても25点前後はいけるはず!残り4科目で挽回しなさい!!」

火「マジ…すか」





『バカじゃ勝てないのよ!』