バカじゃ勝てないのよ!

不安を抱えつつ、テストを迎えた。
生徒たちは静かにテストを受け、鉛筆を打つ音しか聞こえない。



火「(…思った通りだぜ。挽回どころか、むしろどの教科も目標点にすらいってねーよ!)」



火神はテストの結果が目に見えてしまっており、ショックを受けている。



火「(しかも最後がよりによって…一番苦手な国語…)」



もうテストの最後の科目、国語のテストだった。



火「(…いや!勉強しなったわけじゃねーんだ、あきらめるな!やってやるぜ!)」



火神はあきらめず、国語のテストに集中する。
が…





テストが終わると、火神は絶望で机に突っ伏す。



『火神君…まさか…』

火「うるせーよ、50分ずっと鉛筆を転がしてたよ、オレは」









翌日―――



日「火神!テストどーだった?」



日向達二年生は、テストが返された途端に火神の元へと来た。



火「……それが…」



火神が実力テストの髪を見せる。
順位の部分にはなんと、308人中90位と書かれていた。



その結果に日向の眼鏡が割れた。





日「なんでぇえ!?」

小金「えええ!?」

リ「ちょっ、あ!?国語98点!?ええぇ!?」

二年「一体どうやって…!?」

火「いや…鉛筆転がしてただけ…なんで」

二年「はぁ!?」



火神は二年制に緑間の鉛筆を渡す。
それを二年生は愕然とした表情で鉛筆を見る。



『緑間君特性、コロコロ鉛筆です』

二年「………なんだそれぇえ!?緑間こぇえ!!」





こうして全員無事、補習はまぬがれた…が









その日、日向は泣いた。

過程はどうであれ、火神に負けたことに





火神も泣いた。

なぜか緑間に負けた気がしたことに





『バカじゃ勝てないのよ!』完