そっくりだね
雪乃の元にはさつきが
火神の元には青峰が来ていた。
火「誰だテメー、名乗りもしねーで相手しろとか、気にいらねーな」
青「オマエの気分とか聞いてねーよ。やれっつったらやるんだよ…まー名前ぐらいは言ってやるよ。青峰大輝、だ」
聞いたことがある名前に火神は目を見開く。
火「(青峰…!?決勝リーグであたる『キセキの世代』の一人か…!!)名前は聞いてるぜ。けどそんな上から物言われて素直にハイなんて言うわけ…」
青「ハハハ、オイ!オイ!だから聞いてねーんだよ、グダグダ言ってねーでやれ。最も相手になるなんて思ってねーよ。言ったろ、試してやるって。
オレより強い奴とか存在しねぇもん探してるわけじゃねーんだよ。オレの退屈をオマエがどれだけ楽しませられるかってだけの話だ」
青峰の言葉に、とうとう火神は青筋を立てる。
火「…フー、黄瀬といい緑間といい…『キセキの世代』ってのはカンにさわる奴ばっかだけど、テメーはそん中でも特別だな。ブッ倒してやるよ」
相田スポーツジム―――
プール練が終わり、みんなはシャワーを浴びていた。
伊月「キッツ…全身ガクガクなんだけど」
小金「このあと午後練とかヤバくない?」
日「(…にしても雪乃の中学時代のマネージャーとはね…)」
日向はプールサイドのベンチに座っている雪乃とさつきを見る。
目が行くのは、たわわに実った雪乃とさつきの大きな胸。
男子メンバーは胸を高鳴らせる。
男「(いいなぁ…)」
リ「今日午後練のメニュー3倍にしたから」
日「ちょっ、はぁ!?タヒぬって」
リ「うん、タヒねばいい」
小金「ぴょ!?」
リコはそんな男子にご立腹の様子だった。
さ「……決勝リーグ進出だってね?おめでとう!」
『さつきさんの所もですよね』
さ「あれ?言ったっけ?」
『さっき言いましたし、メールで教えてもらいました』
さ「あ。ははは、そうだっけ?」
『はい』
さ「だから次会うときは、違うベンチだね」
『はい』
さ「あとビデオでミドリンとの試合見たよ。すごい良い試合だったし、火神君だっけ。彼…昔の青峰(アイツ)にそっくりだね」
『………』
雪乃の目が少しだけ細まり、優しげな表情になる。
『…はい』』
「二人のプレーを見てたら、昔重い出しちゃってさ。『キセキの世代』の中でも一番息が合ってた青峰(アイツ)とユキちゃん…」
中学二年―――
試合中で、青峰のシュートが決まり、観客が湧いた。
青「っし!!ナイスパス!ユキ!」
緑「相変わらず憎たらしいぐらいピッタリなのだよ」
黄「ってか雪乃っち、こっちにも回してほしいっス!」
『キャプテンに言ってください』
青「ははっ、ホントなんでだろな。ユキとは他のことは何も合わねーのに、バスケだけは噛み合うんだよな」
雪乃と青峰は一緒にディフェンスに戻っていく。
その様子を黄瀬は悔し気に見ていた。
黄「…ちぇ〜、なんでっスかねー?」
緑「…雪乃は影なのだよ」
黄「は?」
緑「影は光が強いほど濃くなる。つまり強い選手(プレイヤー)と組むほど、雪乃も力を発揮する。オレ達も別に雪乃と息が合っていないわけではない。
…が、やはり最強は青峰(アイツ)だ。一番雪乃がかみ合うということは、ひときわアイツの輝きが強いということなのだろう」
緑間の目線の先では、雪乃と青峰が拳を合わせている。
雪乃と青峰は楽しそうに笑いあっていた。
回想終了―――
『………』
雪乃は拳を悲し気に見つめていた。
あの時は楽しそうにバスケをする君の姿が大好きでした。
―――桐皇学園高校
桐「ソォー、エイ、オウ、エイ」
桐皇学園高校バスケ部も、きつい練習をしていた。
?「ウィース」
桐「ウィース」
体育館に入ってきた黒髪で糸目の眼鏡の男子に全員が挨拶をする。
彼は桐皇学園高校の主将の今吉である。
桐皇学園高校バスケ部
PG 180cm
今吉 翔一
今「すまんのー、進路相談長びいてしもーた。すぐストレッチ入るわ」
コートの脇で今吉はストレッチを始める。
今「あら?青峰は?」
桐「勝手にどっかいきました。てかまたサボリっすよ」
今「まったく、しょーがないやっちゃ。のー桜井」
桜「えっあっはい!すいません」
今「は?」
SG 175cm
桜井 良
桜「自分クラス一緒だから止めたんですけど…ダメでその…ホントすいません、生きてて」
今「いやえーよ。別にそーゆー…生きてて!?」
桜「すいませんすいません、自分とか羽虫っす!」
今「羽虫!?いやもうええから、むしろ軽くウザいで」
桜「あぁ!すいません!うざくてすいませんっ!」
今「めんどくっさ!!」
『そっくりだね』