そっくりだね

桃「青峰君の、ユキちゃんと一緒にやってた頃のプレーの方が好きだったんだけどなぁ…」



雪乃もさつきも悲しげな表情をする。



桃「バスケを一人でするようになって…チーム内で孤立して、それでも…試合に負ければ変わってくれると思ってた…けどアイツは負けない。一人になっても…誰も止められないのよ…あっ、ごめんねっ。どーも昔の話になると暗くなっちゃって…」

『…変わりますか』

桃「え?」

『青峰君を止めたら』

桃「えっ…!?でも?」

『青峰君の強さは知ってます。けど、私一人で戦うわけじゃないですから』





青峰と1on1をしている、火神は息を切らしていた。



青「話になんねーな。オマエ、本当に緑間に勝ったのか?」

火「テメェ…!!」

青「あーそうか、ユキがいるのか」



青峰は息も切らさずドリブルを突く。



青「だとしたら不憫だぜ、まったく。アイツは影だ。影は光が強いほど濃くなる。つまり輝き次第でアイツは強くも弱くもなる」



一瞬だった。
青峰は火神をドリブルで抜き、火神は一歩も反応ができなかった。





青「オマエの光は、淡すぎる」









リ「じゃ、学校で昼食。その後一時から午後練ねっ」



全員制服に着替え、外に出ていた。



さ「じゃ、ユキちゃんとはなしもできたし、私帰りますねー」

誠「はーい!」

リ「もーいいから、そーゆーノリ」

『さつきさん』



雪乃はさつきを呼び止める。



『約束します、青峰君に勝つと』

さ「…うん」









さつきは桐皇学園に向かっていた。



青「…あれ?なんだ、さつきじゃん。なんでいんだ、こんなとこ」



さつきの前にいたのは青峰だった。



さ「ちょっ…!?それはこっちのセリフよ!今日練習でしょ!?」

青「あー、火神ってのと会ってきた」

さ「行くなって言ったじゃん!それにたぶん彼の足はまだ…」

青「っせーなー、わってるよ。つか悲しいのはオレの方だぜ?これから少し楽しめるかと思ったのに、ガッツ萎えたぜ。このまま練習フケる。…はぁ〜ダリ〜…米食いて〜……」

さ「ちょっ…」





青峰はだるそうにさつきに背を向ける。



青「足の分差し引いてもありゃねーわ。ユキの目も曇ったもんだぜ。火網じゃ、ユキの力を全て引き出せねぇ」



火神はまだコート内で呆然と立ち尽くしていた。






『そっくりだね』完