笑わせんなよ

青「オマエの光は淡すぎる」





リコや誠凛のメンバーは学校に戻ってきて昼食をとっていた。



日「おい暑いからって冷たいもん飲みすぎんなよっ。もうすぐ午後練だぞ!!」

誠「ウィース」





火神は一人、まだストリートバスケットコートにて座り込んでいた。



火「(……負けた…1対1で負けたのは別に初めてじゃねえ…黄瀬と初めてやった時も似たようなことはあった…けどこんな感覚は初めてだ…)」





リ「じゃあそろそろ始めるわよ」

誠「ウィース」

誠「っしゃぁ」

日「声だせよ、いくぞI・H!誠凛ーファイ!!」

誠「オオ!!」





火「(勝てる気が…しねぇ…)」









桐皇学園―――



桜「いただきまーす」



桐皇学園も午前の練習が終わり、体育館にてそのまま昼休憩に入っている。
桜井が自分の弁当箱を開けると、その弁当はかわいい熊のキャラ弁当だった。
桜井は平然と食べているが、それを見た桐皇の選手たちが固まる。



若「っかわいいなオイ!!」

桜「え?」

若「妹のやつと間違えたとかじゃねんだ!?」

桜「え?いや…スイマセン!でも自分で作ったんだから間違えないですよ…?」

若「自分で作ったんだ!?」

青「お、うまそーじゃん」

桜「あっ」



桜井の後ろから突然青峰が現れ、桜井のお弁当のタコさんウインナーを取り食べた。



若「青峰!!」

青「うーす」

若「どこ行ってたんだよオマエ!!」

青「んー……テスト?」

若「嘘つけ、そんなんねーだろ今日!!」

桐「午後からはちゃんと練習出んだろーな!?」

青「はっはーまっさかー。てかうめーなコレ。全部よこせ」

桜「えっ、いやこれは」

青「あ?」

桜「スイマセン!どうぞっっ」

桐「やってんじゃねーよ桜井!!」



怒っている桐皇の選手を無視して桜井から弁当を取り上げる青峰。



青「っせーなぁ、嘘だの出ろだの…ちゃんとした理由がありゃいーのか?」



睨む青峰。



青「堀北マイちゃんの写真集取りにきただけだよ。んで部室まで行ったら体力尽きちゃったから帰るわ」



青峰の手に持っているのは堀北マイの写真集だった。


青「じゃおつかれー。あ、次からオレの弁当も作ってこいよ」

桜「えっ…」

青「デコはマイちゃんで」

桜「分かりましたスイマセン!!」

若「待てよ青峰!!」



体育館を去ろうとする青峰にとうとう若松がキレた。
青峰の胸倉をつかむ。





若「いーかげんにしろよオマエ。練習でロっつってんだろ」

青「今特にガッツなくしててよ、だから一度許してやる。はなせ」

若「なんっ…っがっ」



若松が言い返そうとしたが、青峰の蹴りが若松の腹部に入った。



今「青峰!!」

青「いやちゃんと言ったし、はなせって」



さすがに今吉も駆け寄る。



青「練習しろ練習しろ。笑わせんなよ。良ー、オレ前の試合何点取ったっけ?」

桜「えっあの…82…点です」



青峰は堀北マイの写真集を置き、転がっていたバスケットボールを蹴り上げそのままドリブルをつく。



青「練習ってのは本番のためにやんじゃねーの?本番で結果出てるのに何すりゃいーんだよ?そーゆーことはせめて試合でオレより結果出してから…」



青峰はそのままリングへとドリブルをついていき、勢いよくダンクを決めた。



青「言…」



その時嫌な音が体育館に響く。
青峰の手にはリングがあった。



青「あり?またやった…」



その光景に桐皇の選手たちは驚愕した。



青「こうなったら今日の練習とか中止でよくね?えーと…何言おうとしたんだっけ……ああ!オレより結果出してから言えよ。ありえねーけど」



青峰は手に持っていたリングを放り投げて、体育館を出ていった。



若「…くそっ…」

桐「大丈夫か!?」

今「スマンのぅ若松」

若「なんで主将が謝るんスか!?」

今「オマエは間違ってへん…けど青峰には何も言わんとき。実力主義なんて珍しいことじゃないやろ」

若「けどっ…」

今「ゴルフのタイガー・ウッズって知っとるか?」

若「は?」



突然の今吉の問いかけにポカンとする若松。



今「じゃなきゃアレや、シャック」

若「シャキール・オニールっスか…?」

今「めっちゃボール飛ばしてタイガーが勝ちまくるから、コースが延びてクラブも飛びすぎんよう規制ができた。シャックもパワーがケタ外れ過ぎて、わざとファウルして止めることが激増したから、ノーチャージエリアができた。
スポーツの世界ではあまりに一人の選手が強過ぎて、ルールすら変えたと言われることがある。稀にあんねん、物のたとえでなく…反則的に強い、そんな化け物が…」



今「まあそもそもウチはチームワークとか、あんま…カンケーないやん」



今吉は不敵に笑っていた。





『笑わせんなよ』