第12話
数日後、ユキノはママことビッグマムの拠点、万国の中のホールケーキアイランドに連れてこられた。
その中のビッグマムの居城、ホールケーキ城の一室にユキノの部屋が設けられ、そこで今はユキノは外を眺めていた。
『(人間オークションに出されないだけマシでしたけど…これでは幽閉に近いですね)』
ここ数日、常に部屋の外には監視がつけられ、ユキノは自由な行動をとれなかった。
カタクリとも万国に着いてからは一度も会っていない。
『(あぁ…海に帰りたい。魚人島の皆に会いたい)』
ユキノは自分の故郷に思いを馳せていた。
そのころ、ビッグマムの部屋にはカタクリがいた。
カ「ママ、ユキノをどうするつもりなんだ」
マ「なんだい、任務から帰ってきて早々。あの娘はモンドールの図鑑に入れようと思っているよ。珍しいし、あの美しさだ。観賞用にはピッタリじゃないかい」
カタクリは少し考えるような仕草をした後、口を開いた。
カ「ママ、頼みがある」
マ「お前が頼みとは珍しいね。話してみな」
カ「ユキノと結婚させてくれ」
マ「!」
ママはカタクリの頼みに目を見開いた。
マ「マーママママ、なんだいカタクリ、お前あの娘に惚れたのかい?だがダメだ。お前はウチの大事な次男だ。それにお前も中々容姿もいいから、珍しいとはいえ、結婚になんの利益もないユキノとは結婚させられねぇな」
カ「(視た通りか)」
カタクリはママの言葉を先に見聞色を使って視ていた。
だから先程、考えを巡らせていたのだ。
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