第13話

カ「ママ、もちろんただで結婚させてくれっていうんじゃねぇ」

マ「ほぉ」

カ「もしユキノと結婚したら俺の管理する島へ連れて行かずに、城に住まわせる。こうすれば、ママもいつでもユキノを呼び出せて、観賞できるだろ。本の中では人間の姿と人魚の姿両方は見れねぇ。だから」

マ「図鑑の中には閉じ込めず、自由に生活させろと。水槽さえあればいつでも人魚の姿も見れるからってことかい」

カ「あぁ」

マ「まさかそれだけじゃないだろうね」

カ「………」



カタクリは黙り込んだ。



カ「これは頼みとは違うかもしれねぇ」

マ「聞くだけ聞いてやる」

カ「もしユキノとの結婚を許してくれねぇなら、俺はママや家族と縁を切らせてもらう」

マ「なっ」



ママは驚愕の表情を見せた。



マ「お前、その意味がわかってんだろうね」

カ「あぁ」

マ「それは俺に対する脅しに聞こえるが…」

カ「そうだ」

マ「息子とはいえど、お前は俺を怒らせた。寿命を取らせてもらうよ!Stay or Life?」



ママはソルソルの実の能力者。
カタクリから寿命を取ろうと魂に問いかけた。
しかし一向に待ってみてもカタクリから魂が出てこない。



マ「?Stay or Life?」



もう一度問いかけてみてもカタクリから魂は出てこなかった。
そう、カタクリは死を恐れていなかったのだ。



マ「お前そこまであの小娘に惚れたのかい!?」

カ「あぁ、ユキノさえ手に入れば、俺は地位も名誉も財産も家族もいらねぇ。」



カタクリは強い意志を持った眼差しでママを見返す。









カタクリが出て行った部屋でママは頭を抱えていた。



?「まさかあのカタクリが、あそこまであの娘に骨抜きにされるとは」

マ「!」



部屋に入ってきたのは長男のペロスペローだった。
カタクリとママのやり取りを聞いていたようだ。



ペ「ママの命令には誰よりも従ってきたあの男が、縁切りの発言にはビックリした」

マ「あぁ…カタクリを失えば大きな戦力減になる。未来が視える見聞色の覇気もそうだが、すべてにおいて他の子供たちの中でも秀でている。カタクリを失うわけにはいかねぇ」

ペ「あの娘、どんな手を使ったか気になるペロリン♪」





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