第18話

プルプルプルプル


『!』



夜、カタクリの腕の中で眠りについていたユキノは、突然の電伝虫の音で目が覚める。



『?』

カ「こんな夜中になんだ」

『私が出ますので、お休みになっていてください』

カ「歩けるのか?」

『///』



先ほどの情事で痛む腰を押さえながらも、ユキノは鳴り響く電伝虫の元へ行き、電話に出る。



〈ユキノ姉さま〜〜〜〜〜!!!〉

『!!!』

カ「!?」



電伝虫から聞こえた突然の大声と泣き声にユキノは飛び跳ねた。
カタクリも飛び起きる。



『し、しらほし様?』

し〈うわぁぁぁぁあああん、姉さまに会いたいです〜〉

『と、とりあえず落ち着きましょう』

?〈夜中にすまない、ユキノ〉

『フカボシ様』


今度はしらほしの兄、フカボシの声が電伝虫から聞こえた。
後ろではまだしらほしは大泣きしている様子だった。



フ〈お前に会いたいとしらほしが聞かないんだ。すまないが、いつものように帰ってきてはくれないか?〉

『!もうそんな時期になるんですね』

フ〈あぁ〉

『わかりました。明日、ママに相談してみます』

フ〈頼む〉



そう言って電伝虫を切った。



カ「しらほし姫か?」

『はい、もうすぐですから…オトヒメ様の命日』





5年前、魚人島で竜宮王国王妃オトヒメ様が暗殺された。

それと同時にネプチューン王とオトヒメ王妃の娘、しらほしも何者かに狙われるようになり、竜宮城内の硬殻塔で軟禁生活を強いられていた。

ユキノはカタクリに嫁ぐ前は、オトヒメの専従者だったが、オトヒメが忙しい時などはよくしらほしに寄り添って遊んであげたり、しらほしが眠るまで寄り添ったりしていた。

そのため、しらほしはユキノのことを実の姉のように思っている。



オトヒメの命日が近くになると、ユキノに会いたがるしらほし。

だが、魚人島は今はビッグマムと同じ四皇の白髭海賊団のナワバリ。

しかし、特別にユキノは四皇二人に許可をもらっていた。

その話はまた今度…。





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