第19話
『すみません、ここまで着いて来て頂いて』
カ「毎年のことだろ。気にするな」
2日後、ママの許可をもらったユキノは魚人島に行くため、船でレッドライン付近まで来ていた。
船にはカタクリも乗っている。
カ「どのくらいで帰れる」
『オトヒメ様の命日が明日なので、明後日には』
カ「分かった。気をつけろ」
『はい。行ってきます』
二人はしばらく会えない間を埋めるように長いキスをした。
一緒に乗っている戎兵たちは見ないように後ろを向く。
唇が離れると、ユキノはニコッとカタクリに笑いかけた後、海に飛び込んだ。
するとどんどん、ユキノの足は人間の足から魚の足へと変化していく。
『(1年に1回しか帰れない里帰り。皆さん、元気にしていますかね)』
久しぶりの里帰りに胸を躍らせながらユキノは海底深くまで潜っていった。
魚人島―――
途中、海王類達に話しかけられたり、魚たちと話してたりしていたユキノだったが、無事に魚人島までたどり着くことができた。
※ユキノは古代兵器ではないですが、海王類と話ができます。
『ただいま、私の故郷(ふるさと)』
魚人島へと入ると、シャボンを腰につけてユキノはそうつぶやいた。
魚人島には陸上と同じであるが、ユキノはここでは人間の姿にはならない。
すると街を歩いていた人魚や魚人が駆け寄ってきた。
魚「お帰りユキノ!」
人「おかえりなさいユキノ!」
人「元気だった!?」
魚「旦那とは順調か?」
質問攻めになるユキノ。
困りながらも質問に答えるユキノ。
やっと竜宮城へと着いたユキノは真っ先にネプチューンのところへと行く。
『お久しぶりです、ネプチューン様』
ネ「ユキノ、よく来てくれたじゃもん。毎年すまない」
ユキノは大きな体をしたシーラカンスの人魚、ネプチューンの前に来た。
ネプチューンはユキノに微笑んだ。
『いいえ、私も故郷に帰ってこれてうれしいです』
ネ「帰ってきて早々じゃが、しらほしのところへいってほしい。おぬしに会いたいと泣き喚いて困っているんじゃもん」
『はい』
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