第20話

竜宮城 硬殻塔―――



し「ユキノ姉さま〜〜〜!!」

『しらほし様、苦しいです…』



しらほしのところへ来たユキノは、来て早々巨大な胸に押し付けられた。
ユキノを抱きしめたのは、ネプチューンよりも大きな人魚でピンクの髪にピンクのヒレをしていた。
ネプチューンの娘、しらほしである。

巨大な胸に押し付けられているため、息ができないユキノはしらほしの腕をぽんぽんと叩いた。
やっと離してもらったユキノはニコッと笑った。



『お久しぶりです、しらほし様』

し「お会いしたかったです、ユキノ姉さま」



未だに涙を流すしらほしにユキノはハンカチで拭いてあげる。



『綺麗なお顔が台無しですよ』

し「はい」



しらほしはユキノにそう言われると、涙を拭った。



し「お姉さま、この間はすみませんでした。夜中にお電話をしてしまって。旦那様は大丈夫でしたでしょうか?」

『大丈夫ですよ。カタクリさんも承知していますし。それより寝てらっしゃらないでしょう?隈が出てますよ?』



しらほしの目の下にできている隈にユキノは優しく触れる。



し「寂しくて姉さまがいないと眠れないんです」

『では子守歌を歌って差し上げますから、横になりましょう』



そう言うとしらほしはパアッと表情が明るくなった。



し「はい!」


しらほしは言われたとおりにベッドに横になった。
ユキノもしらほしの顔の近くに横になる。



『歌は何がいいですか?』

し「あれがいいです、ん〜と…つないだ手にキスを」

『ふふっ、分かりました』





♪〜〜〜



そして坊やは眠りについた

息衝く灰の中の炎

ひとつ、ふたつと

浮かぶ膨らみ愛しい横顔

大地にたるる幾千の夢 夢

銀の瞳の揺らぐ夜に

生まれ落ちた輝くお前

幾億の年月が

いくつ祈りを土へ還しても

ワタシは祈り続ける

どうか、この子に愛を

つないだ手にキスを



♪〜〜〜





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子守唄はD.Gray-manの14番目の子守唄です。
作者もこの歌がとても好きで、実際に娘を寝かしつけたりするときによく歌ってます。