第24話

竜宮城―――



ジンベエと別れた後、意外にも時間が立っていたことに気が付き、慌ててしらほしの元へと向かっていた。



?「おっ、あんたがビッグ・マムのところの人魚かい?」



その時、突然誰かに声をかけられた。
ユキノは初めて会う人には、前にも言ったが影が薄いため、相当な実力者じゃない限り、声をかけられたり見つかることはない。



『あなたは?』

?「おれか?おれは白髭海賊団二番隊隊長のエースってんだ」



声をかけた黒髪にテンガロンハットをかぶったそばかすの男は名乗った。
背中には白髭海賊団の入れ墨が彫られている。



『あなたが火拳のエースさん』

エ「さんなんてやめてくれよ、エースで構わねぇぜ」

『ではエースはなぜ私のことを?』

エ「そりゃ知ってるさ。ジンベエからよく聞いてる」

『ジンベエさんからですか』

エ「あぁ、えらく別嬪さんだとは聞いたが、本当に綺麗だな」



エースはユキノに顔を近づける。



『何をするんですか!?』



キスをしそうなくらい顔が近くなり、慌ててユキノはエースから距離を取った。



エ「いやぁ、あまりにも瞳が綺麗だったもんで…(危ね〜ついつい引き込まれちまってキスしそうになった)」

『ジンベエさんから聞いてると思いますが、結婚している身なので、そういう冗談はやめてください』

エ「へいへい。旦那が羨ましいぜ、こんな綺麗な奥さんをもらえて」

『///』



恥ずかしさでユキノは顔を赤らめる。



『それよりエースは何故一人で魚人島に?』

エ「あぁ、今はある男を捜しているんだ」

『その方を捜しに魚人島まで?』

エ「あぁ、それもあるっちゃあるが、うわさに聞くビッグ・マムのとこの人魚が来てるってんで、会いにな」

『私ですか?』

エ「そ。あんたと会えてよかった。そろそろ行かねぇと。またな」



最後に満面の笑みを浮かべてエースは去っていった。



『(まるで太陽みたいに笑う不思議な人)』



ユキノはそこでハッと気づき、再びしらほしの部屋へと急いだ。





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