第40話

部屋に二人きりになったユキノとカタクリは、しばらく黙っていた。



『あ…あの』

カ「すまねぇ」

『え?』



突然のカタクリの謝罪にユキノは驚いた。


カ「あの時、お前のことを一生護るとこの指輪に誓ったのに、破っちまった」



ユキノは自分の薬指の指輪に触れる。



『8年前を思い出されたんですか?』

カ「あぁ」

『ふふっ、実は私も眠っている間にあの時のことの夢を見ていまして。あの時私がこの指輪に誓ったことを覚えていますか?』

カ「あぁ」

『"あなたのことをもっと知って、一生あなたを愛する"と誓いました。けど、実はもう一つ誓っていたことがあるんです』

カ「?」



カタクリは片眉を顰める。



『"この人と背中合わせで戦えるくらい強くなる"とそう誓ったんです』

カ「!」

『前にも言いましたが、オトヒメ様の護衛役も務めていたので腕には少し自信があります。けどあなたを護れるくらいの強さはない』

カ「俺は護られるほど弱くはねぇ」

『わかっています。けど私も護られるだけでは嫌なんです』

カ「"だから強くなるために『ミズミズの実』を食べたんです"…か」

『はい。ママに頼んだところ…』





ママ、お願いがあるんです。

なんだい?

私に悪魔の実を食べさせてください。

あ?

護られるだけじゃ嫌なんです。だから強くなりたい。

なんかカタクリとあったみたいだね。悪魔の実を食べると海に嫌われるということは知ってるんだろう?

知っています。

海に帰れなくなっても構わねぇってのかい?

…私はもうここに嫁いだ身、構いません。

マママママ!分かった、ちょうどいい悪魔の実が手に入ったんだ。それを食いな!

実の名前はなんですか?

ミズミズの実さ。これは特別の実でね。食っても海には嫌われねぇのさ。ただし、能力を使ったときの体力の消耗は激しい。自然系(ロギア)の悪魔の実。

ありがとうございます!





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