第42話

4年前―――



オトヒメが亡くなったと聞かされたユキノは、魚人島に帰りたかったが、言ってしまえばユキノはビッグ・マム海賊団の者。
魚人島をナワバリにしている白髭とは敵対する立場である。

しかしママとカタクリに無理を言って、オトヒメが亡くなった1年後、白髭海賊団にユキノ自らが出向いて相談をする場を設けてもらった。





白「お前か?俺に話があるっていう小娘は」

『お初にお目にかかります、ユキノといいます』



ユキノは白髭し海賊団の船の上にいた。
ユキノの前には大男、白髭が椅子に座しており、後ろに隊長達を含む船員達がユキノにプレッシャーをかけてくる。
そんな中、ユキノはまっすぐな眼差しで白髭を見つめる。



白「(ユキノ…どこかで聞いたことがあるな)俺を前にしても怖気づかねぇか。面白れぇな、グララララ。で、話とはなんだ」

『魚人島に行きたいのですが、私はビッグ・マムの義理の娘です。魚人島は私の故郷なんです。ですから許可をいただきに来ました。どうかお願いです、魚人島に行かせてください』

白「魚人島が故郷だぁ?どういう事か説明しろ」

『信じがたいかもしれませんが、私は父親が人間で母親が人魚の半人魚なんです。特異体質で陸上では人間の足になれます。6年前まで魚人島に住んでいました』

白「!お前、もしかしてナディアの娘か?」

『!!どうして母の名を…』



白髭の口から母の名前が出てきてユキノは目を見開いた。
後ろでは船員達もざわめき始める。



白「お前がアランとナディアの娘とはな。アランは知っているか?」

『名前だけですが、父ということを母から聞きました』

白「アランはな、俺の息子だったんだ」

『え!』

白「といっても血のつながりはねぇ。いわゆる仲間だ」

『ということは白髭海賊団の船員だったんですね』



白髭は静かに頷く。



『父はどこにいるんですか?』

白「…死んだ、お前が3歳くらいの時にな」

『…そうですか』

白「同じくらいの時にお前の母親が死んだと聞いて、心配していたんだぜ。まさかビッグ・マムのところにいたとはな」



白髭は笑いながらお酒を飲む。





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