第47話

ロ「待て…お前いくつだ」

『?29歳ですけど』

ロ「俺より年上かよ」



ローはあきれた目でユキノを見る。
ユキノは気まずさから目をそらした。



ロ「まぁいい。で、捜している奴はどんな奴なんだ」

『夫です。身長がとても高いので人ごみでも気づくはずなんですが…』

ロ「(既婚者かよ)回りを見てもいねぇってことは、ここにはいねぇってことだろ。とにかく海辺に行けばいい。どうせ船出来たんだろ?」

『はい』

ロ「行くぞ」



ローはユキノの手を握り、歩き出した。



『あっ、案内してくれるんですか?』

ロ「また迷子になりそうだからな」

『ありがとうございます。…でも初対面なのになんでそこまでよくしてくれるんですか?』

ロ「…気まぐれだ」



ローはそういうと黙り込み、歩き出した。









ローside―――



俺は仲間を連れて、春島へとやってきた。

仲間たちはそれぞれ自分の好きなように島をめぐり、俺はというと一人で歩いていた。

結構有名な島ということもあり人も多く、人ごみが嫌いな俺は街はずれへと足を進める。

一歩裏地に入ると、人も少なく少し薄暗い。

そこで俺は一人の女を見つけた。

腰まである水色の髪に海のような碧い目。

人形のような整った顔立ちをしている。

回りは薄暗いはずなのにそこだけ光が差し込んでいるようにも見えるほど、どことなく神々しかった。

女は何かを捜しているようにキョロキョロと周りを見渡している。

その女に興味を持った俺は声をかけることにした。

そう、ただの気まぐれだ。

べつに一目ぼれだとかいう浮かれたようなやつじゃねぇ。

そう言い聞かせ、女の背後から声をかけた。





ローside 終了―――





海辺へと来た二人は並んで、海を眺めていた。



『ありがとうございました。ローさん』

ロ「そのローさんっていうのをやめろ。さん付けとか気持ち悪ぃ」

『ではローと呼んでいいですか?』

ロ「あぁ。そういやお前の名前を聞いてなかったな。

『あっ、すみません。私はユキノといいます』



名前を聞くとローはユキノの方を見た。





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