第48話

ロ「お前、あの海の女神屋か?」

『屋?世間ではそういわれていますね。知っているんですか?』

ロ「知っているも何も高額の賞金首にONLY ALIVEで有名じゃねぇか」

『そんなに有名なんですかね?どうしますか?私を捕らえますか?』



ユキノは少し身構えた。
ユキノが高額の賞金首だとわかると、たまにではあるが女だと舐め切って襲ってくる海賊もいるのだ。



ロ「やめておく。迷子になるようなガキとはいえ10憶の賞金首を襲うような馬鹿じゃねぇからな」

『…あなたより年上です』



ユキノは口を尖らせた。
ローはフッと笑うとユキノの頬をつまみ、自分の方へ向かせる。
そして今度は両頬を抓んだ。



ロ「その仕草がガキだってんだ」

『うるひゃいれす』

ロ「ククッ」



ローは意地悪そうな笑いを見せた後、ユキノの頬から手を離した。
そしてユキノに背を向ける。



ロ「じゃあな、俺はここまでだ」

『本当にありがとうございました』

ロ「もう迷子になるなよ」

『うぅ…努力はします』

ロ「一生治らなそうだな」

『治ります!』

ロ「治ればいいがな。あぁ、そうだ」



ローは何かを思い出したように、再度ユキノの方へ近づく。
そしてユキノの腕を持ち、自分の方へ引き寄せた。



チュッ



『なっ…なっ…//』

ロ「フッ、礼代わりだ。頂いていくぜ」



ユキノはキスをされた頬に手を当て、顔を真っ赤にさせている。
そんなユキノを見て、ローは楽しげに去っていった。

ローの後姿が見えなくなるまでユキノはぼーっとしていたが、ハッと我に返る。



『(カタクリさん以外の男の人にホッペにキスされた…優しい人なのか意地悪な人なのかよくわからない人…)』



ローが去っていった方向からカタクリが見えたユキノは、カタクリに向けて走っていった。



この後、ローとの一部始終を見られていたカタクリにユキノはコッテリと仕置きをされたのであった。





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