第49話

カタクリside―――



ユキノを見失ってしまった俺は今船に戻ってきていた。

町中を捜したが、結果見つけることはできなく、すれ違いになっては困ると思い、戻ってきたのだ。



カ「(遅い)」

モ「兄貴、まだユキノは帰ってこないのか?」



この島には他の兄妹達も何人か来ており、その中の一人のモンドールが船の上から顔を出した。



カ「あぁ」

ク「まさか迷子になってないよな。ユキノって結構方向音痴だからよ」

カ・モ「「…ありえるな」」



モンドールの隣に現れたクラッカーの言葉に、俺とモンドールの声が揃う。

思い当たる節がありすぎる。



ブ「お兄ちゃん、町中の鏡を見てきたけどユキノは見つからなかったよ」



ブリュレにもミラミラの実を使って鏡の中から捜してくれと頼んでいたが、いないとなると…。



カ「路地にでも入ったか?」



その時見聞色の覇気を使うと、ユキノと一人の男が並んで海を見ている姿が視えた。



カ「(男と一緒だと?)」

ク「兄貴、どうした?」



胸がムカムカとし、フツフツとどす黒いものが湧き上がってくるのが分かる。

俺の変化に一早く気付いたクラッカーが問いかけてくるが、無視をし俺は歩き出した。

少し歩くと視た通り、ユキノと男が見える。



カ「(あの男は前に手配書で見たことあるな…)」



最近ニュースク―に狭まっていた手配書の写真にそっくりだった。

たしか名前はトラファルガー・ローだったか?

記憶を辿っていると、男がこちらの方に歩き出した。

どうやら別れるらしい。

俺がユキノの方に歩き出そうとした瞬間、俺は目を見開いた。

突然トラファルガーがユキノの方に振り向き、ユキノの頬にキスをしたのだ。

俺の中で何かが切れた。





カタクリside 終了―――




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