第51話
カ「!」
『大丈夫ですよ、私からキスをするのはあなただけですから』
カ「そういう問題じゃ…」
カタクリは言葉を止め、ため息をつく。
カタクリは目の前の妻の笑みに弱いといことを再度自覚した。
カ「お前は無防備すぎなんだよ。少しは自覚をしろ」
『?』
カタクリの言葉に首を傾けるユキノ。
『迷子のことですか?すみませんでした。一応自覚はあるんですが、方向音痴は中々治らないものですね…』
カ「(そういう意味で言っているんじゃねぇが)」
カタクリは頭を抱える。
『それにローにはただ道案内をしてもらっただけですよ』
ユキノはカタクリの首に腕を回す。
『私が一生愛しているのはあなただけですから。安心してください』
ユキノは優しく微笑みかけた。
カ「全く、お前ってやつは…」
二人は唇を重ねた。
ローside―――
ロ「まさか四皇のNo.2の嫁だとはな」
俺はユキノと別れた後、仲間と合流をし、自らの潜水艇に乗り込み航海を続けていた。
自室でベッドに横になっていると、ユキノとのことを思い出す。
ユキノとの別れ際に頬にキスをし、ユキノに背を向け歩き出すと一人の大男とすれ違った。
ロ「(コイツは…)」
手配書で見たことがある超大物だった。
自分の10倍ほどもある懸賞金をかけられ、四皇のNo.2とも謳われる男。
ロ「(なぜここに…)」
警戒をしながらもすれ違おうとしたその時、男の手に突然現れた三叉槍がローのつま先ギリギリの砂に突き刺さる。
ローの背中に冷や汗が伝った。
男は横目でローを睨む。
それだけで強烈な殺気がローを襲った。
カ「あいつは俺の妻だ。次に手を出したら…こ〇す」
男はそう言うと、歩き出した。
ロ「(おいおい、夫婦そろって10憶越えかよ…)」
ローは苦笑いをした。
ベッドの上で男とのやり取りを思い出していた俺は、天井を見上げながら笑みを浮かべる。
ロ「また会いてぇな」
ローside 終了―――
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