第52話

満月の輝く夜、ホールケーキアイランド城の広い食堂では、珍しくシャーロット家が一同に集まっていた。
シャーロット家だけではなく、ビッグ・マム海賊団の船員達もいる。



食卓には豪勢な食事とお菓子の数々が並ぶ。
今日は略奪成功の宴が行われており、食卓のお菓子は料理長のシュトロイゼンだけでなく、シャーロット家の兄妹達も作っていた。



ビッグ・マムもお菓子の美味しさにご満悦の様子だ。



マ「マーママママ!お前たち、今日はよくやってくれたねぇ。存分に飲み食いしな!」



みんなはお酒を飲んだり、食事やお菓子を食べたりと、それぞれ宴を楽しんでいる様子だった。
そんな中、ユキノは料理を堪能していた。
隣のカタクリはお酒を嗜んでいる。
ユキノは、カタクリのお酒が無くなるとお酌をする。



『どれを食べても美味しいですね!』

カ「あぁ、だがお前の料理の方が旨い」

『///そんなこと言ったらシュトロイゼンさんに怒られますよ』

兄妹「(万年新婚夫婦)」



相変わらず仲のいい夫婦に苦笑していた。



『お菓子は皆さんも作られてるんですよね。カタクリさんも作られたんですか?』

カ「あぁ、それだが…」

ク「ユキノ〜、飲んでるかぁ〜」



その時、クラッカーが二人の間に割り込んできた。
クラッカーの顔は真っ赤に染まっており、手にはお酒の瓶が握られている。



カ「クラッカー、飲み過ぎだぞ」

ク「まだまだイケるぜ!」

『大丈夫ですか?』

ク「このくらいじゃ飲んだは範囲に入らねーよ。ほら、ユキノも飲めよ」

『いえ、私は…』



ユキノはやんわりと断る。



ク「つれねーな。じゃあよ、酒を酌んでくれよ」

カ「おい」

『それでしたら…』



カタクリが止めようとするが、ユキノは瓶を受け取り、クラッカーの持っている盃に注いでいく。
カタクリは面白くなさそうにその様子を見ていた。
クラッカーは盃を一気に煽り、一気に飲んだ。



ク「やっぱり美人さんに汲んでもらった酒は美味ぇ」

『そんな』

ク「もう一杯」



クラッカーが盃を再び差し出し、ユキノが瓶を傾けようとした時、瓶を取り上げられた。
ユキノが後ろを振り向くと、カタクリの手にはユキノが持っていた瓶がある。





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