第55話

お茶会も無事に終わり、ユキノは部屋まで早歩きで向かっていた。
ドレスと高いヒールの為、歩きにくそうだが、そんなことは関係なく苛立っている様子で歩いていた。



『(今日はおめでたい日なのに…なんだかとってもイライラします)』

プ「スムージー姉さん、ユキノ義姉さんどうしたの?あんなに怒っている義姉さん初めてみた」



ユキノを見ていたプリンがスムージーに話しかける。



ス「いろいろとな。まぁ大丈夫だろ…」



そんな二人の会話もいざ知らず、ユキノは自室の扉を開き、中に入った。



カ「おかえり」

『!!』



今ユキノのイライラの原因の張本人であるカタクリが、先に帰っており椅子に座っていた。
カタクリの顔を見るなり、ユキノはムッとした後、そっぽを向く。



『ただいまです』

カ「どうした、何を怒っている」



カタクリは不思議に思い、椅子から立ち上がりユキノに近寄る。
だが、ユキノはカタクリから逃げまわった。



『怒っていません』

カ「嘘を吐くな、お茶会でも俺を避けていただろ」

『プリンと一緒にいましたから。別にあなたと一緒にいなくてもよろしいのでは?』

カ「妻だろ。俺の傍にいるのは必然だ」



カタクリの言葉にとうとうユキノはキレた。



『綺麗なお姉さん方と一緒にいたあなたに言われたくはない言葉ですね!』

カ「!」



フンっとユキノはそっぽを向くと、カタクリは目を見開く。
すると肩を竦め、小さく笑い始めた。
ユキノはカタクリの行動にさらにイラつく。



『何がおかしいのですか』

カ「ククッ、いや…可愛いなと思ってな」

『か…私は本気で怒っているんですよ!?』

カ「要はお前は俺の周りにいた女たちに嫉妬をしたってことか」

『!』



イライラの原因が分からなかったユキノは、腑に落ちた。



『嫉妬…?』

カ「あぁ」

『この気持ちが嫉妬というのですか』



なんだかどんどん恥ずかしくなっていき、ユキノの顔がどんどん赤くなっていく。
ユキノは自分の頬を手で覆う。





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