第57話

『え!?』

カ「?」


でんでん虫で久しぶりにジンベエと会話をしていたユキノが声を上げた。
近くでニュース・クーを見ていたカタクリが顔を上げる。



『アーロンさんが…倒された?』

ジ〈あぁ、東の海で倒されたそうじゃ。ココヤシ村という村を支配下 にして酷いことをしていたらしいんじゃが、先日麦わらのルフィという男とその一味に倒されたらしい〉

『麦わらのルフィですか』

ジ〈あぁ、たった5人でハチもクロオビもチュウもやられた〉

『それで、皆さんは…』

ジ〈おそらく海軍に捕まったんじゃろう〉

『そうですか…』



ユキノは顔を俯かせる。
それを心配そうにカタクリは見ていた。

それから一言二言ジンベエと会話をした後、でんでん虫を切ったが、しばらく動けなかった。



カ「どうした?」

『アーロンさん…知人が東の海で海軍に捕まってしまったそうです。麦わら海賊団に倒されて…』

カ「麦わら…ちょうど今見ていたニュース・クーに挟まっていた手配書の男が麦わらのルフィたったな」

『本当ですか!?見せてください!』



カタクリから手配書を受け取る。
そこにはDEAD OR ALIVEと書かれており、金額は3000万ベリー。
写真には麦わら帽子を被った少年がこちらた満面の笑みを浮かべていた。



『この方が麦わらのルフィ…』

カ「間抜けな顔だな」

『そうですか?この笑顔、どなたかに似ていますが、どなただったでしょう?』


ユキノは写真の少年の笑顔に見覚えがあるが、誰だか分からず首を傾げる。



カ「いずれにせよ、ママの脅威にはなるような男ではない」

『…そうですね』



しばらく手配書を見ていたユキノだったが、カタクリの背中に抱きついた。



カ「どうした?」

『すみません、しばらくこのままでいさせてください』



しかし、カタクリはユキノの手を解く。
それにユキノは悲しそうな表情をするが、 カタクリは前から抱きしめた。
それに笑顔になったユキノ。



アーロン達の悪事はジンベエから聞いていたが、昔からお世話になった人たち。

静かにユキノはカタクリの腕の中で涙を流した。





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