第62話
とうとう自分の番まであと3人。
『(覚悟を決めなければ…)』
ユキノは注射を受けている人を見ないように目を瞑り、覚悟を決めていた。
オ「痛いファ!」
『ヒッ!』
しかし、ちょうど注射を受けたオペラが痛みで叫ぶ。
目をつぶっていたユキノは驚いて小さな悲鳴を上げた。
『(やっぱり無理です〜)』
とうとう涙目になったユキノ。
そんな時、ポンと頭に大きな何かが乗った。
カ「大丈夫か?」
顔を上げるとそこにいたのはカタクリだった。
『カタクリさん!』
カ「遅くなったな、今帰ってきた。大丈夫か?」
カタクリが言い切る前にユキノは抱きついた。
限界が訪れたのか涙が流れている。
カタクリはユキノの頭に手を置き、もう片方の手は背中に回す。
カ「大丈夫だ、すぐ終わる」
『……はい』
とうとうユキノの順番になり、しぶしぶ丸椅子に座ろうとする。
が、その前にカタクリが丸椅子に座った。
『?(カタクリさんは終わったハズでは?)』
カ「ん」
カタクリは自分の膝をポンポンと叩く。
それにユキノは首を傾げると、ひょいとカタクリに持ち上げられ、カタクリの膝の上に乗せられた。
カ「これで少しは安心するだろう?」
『///はい』
カタクリにさらに手を握られ、予防接種 を無事受けたユキノであった。
*