一緒に
「会場にプロがいるんだからやってもらってくればいいのに」
「……それとこれとは別だから。」
畳の上にごろんとうつぶせになる。
大きく足も、手も伸ばして。
枕に突っ伏せて。
「はい、今日も試合お疲れ様でした」
「うん……。」
「手とか腕とか痛くならなかった?」
「今日は大丈夫だった……。」
「そう、それは良かったね」
夏でも、冬でも。
晴れでも雨でも。
昼でも夜でも。
勝っても負けても。
「ここらへんどうですか?」
「いい……気持ちいい……。」
試合が終わって家に帰ってひとっ風呂浴びた後。
マッサージなんてとても呼べるような代物じゃない。
ただみつくんのリクエスト通り、なでなでしたりもみもみしたりするだけ。
「……なんか新しい風俗みたいだよね」
「こんな風俗商売にならんだろ……。」
「うーんじゃあこんな風に……背中にのっかってみたり!?」
「あー、いい荷重。そのままそのまま……。」
「潰すぞー」
「啓くらいで潰れないよ俺は……。」
プロがいるんだからやってもらって来ればいいのに。
それともあたしマッサージ師に転職しようか?
そうじゃなくて?
「むしろいつまでも離さないで居て欲しいよ俺は……。」
「……おさわり風俗?」
「だから商売にならないだろう?これは俺が啓が好きだから成立してることなんだから……。」
好きだから触りたい。
好きだから触って欲しい。
好きだから。
たったそんだけ。
「……お疲れ様〜〜〜っ」
「ははっ、そこくすぐったい……。」
「次もがんばろうね」
「啓を背負っていかなきゃならないもんな。」
「いえいえ。よいしょっと」
みつくんの背中から、ごろんと畳に転がり落ちた。
ぴとっと体をくっつける。
「あたしも隣でがんばりますよ?」
ぎゅっと左手を握る。
君の手が痛む時は撫でてあげよう。
君の腕が上がらない日は引っ張ってあげよう。
だからずっと離さないで居ようね。
「うん。」
だからずっと一緒に居ようね。
こんなことしてようね。
一緒に
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
161113
- 76 -
*前次#
ページ:
ALICE+