にじいろ


窓辺に置いたガラス玉

春の光をいっぱい受けて

七色に輝く。





「……何を見てるんだ?」

「おわっ!……会長、急に出て来ないでよびっくりしたぁ」

「俺には見えないものでも見えてるのかと思って。世田谷には。」

「なにそれこわい、もうここ居られない」

「一点を見つめてぼーっとしている方が傍から見たら余程怖いぞ。」

「……あれがきらきらして綺麗だなーって思って」

「……?なんだあれ?」





日向の方へ

光の方へ

君は物静かな人だけど

太陽の光がとても似合う

そんな風に勝手に思ってる

いつも陽の光を受けて

きらきら

きらきら





「誰だこんなとこにビー玉持ってきた奴!!」

「知らん」

「意味が解らん……。」

「ラムネでも飲んだんじゃないの?ははっ」

「えぇ……?」





指先で弄ぶと

ころんと光が転がった

何の変哲もない昼下がり

あたしにとっての至福の時間

君の光を受けて、あたしもまた

輝くのだろうか?





「こっから見ると綺麗でしょ?」

「……まあ。確かに。」

「一応見えてるもんを見てたんで。心配しないで」

「……。」

「心配しないでって霊感とかぜんっぜんないから。まったくないから」

「世田谷が見ているもの……。」





照準を合わせるかのように同じ方向を向く

視線の先を合わせる

見えない物を見ようとする

太陽はだんだん西へ傾いて、斜めに光が射しこんでいる。

教室中を明るく照らし出す。





「……眩しい……目が痛い……。」

「うん……そろそろ帰りませんか会長」

「そうだな……。」






体いっぱいにまばゆい光を受けて

少しばかりの影を背負って

あたしも君みたいに輝けるだろうか?





「今日は?自転車?」

「ううん、歩き」

「じゃあ一緒だな。」

「え?会長歩いて帰んの?」

「え?世田谷はバスで帰らないのか?」

「……おカネがないよ?」

「……では、さようなら世田谷さん。また明日。」

「ちっ、どーせ歩いて帰るよ!!バイバイ!!」





戸口に佇んだ君

君からもらった光をいっぱい浴びて

あたしもまた輝けるだろうか?

七色に





「気を付けて帰れよ。世田谷。」

「わかってる」

「ちゃんと見えてるものは見て帰るんだぞ。」

「だーかーらっ見えないものは見えてませんってば!!怖いから!!やめて!!」

「帰り道気が抜けないな。」

「怖いわ!!ひとりで帰れんわ!!」

「仕方ない、じゃあ今日は俺が一緒に帰ってやろう。」



にじいろに。





にじいろ
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
170409


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