I know
駄目だ。
これ以上は無理だ。
「手塚……あたし……」
迷惑をかけるわけにはいかない。
あとは自分でどうにかしなくちゃ。
「……なんだ急に、世田谷?」
「あたし……」
このままじゃきっとふたりのためにならない。
「あたし、寝てきますッ」
「―――は?」
「ので本日はお引取りくださいませ!ではっ」
「では、じゃない。待て待て待て。」
「おやすみなさい!!!」
「世田谷!!」
「……」
「……。」
だってさー。
マトモに起きてても解けない数学を。
この眠い環境で問題すら理解できないのに解けるかっつーの
無理だっつの!!!
「おねがーい5分だけで良いから横にならせて〜」
「何が5分だ、絶対朝まで起きないだろう!」
「見たこともないくせに!!」
「お前のことなら大体わかる!!」
なんだよ、そんなセリフこの状況で言うなよ!!
もっとガツンとしたシチュエーションで言ってくれよ!!
「もーやだ、手塚と勉強すんのだからやだ!!」
「これくらい厳しくしないと世田谷はやらないからな。」
「……そんなことないよ?」
「ふーん。」
「……だってご飯食べたばっかだし、あったかいし」
「じゃあ俺が起こしてやるからここで寝ろ。」
「……はい?」
「5分で起こしてやるから寝たいなら俺の目の前で寝ろ。」
腕を組んで手塚は椅子に深く腰を掛け直した。
コレは
マジで
「……じゃあ」
「マジで寝るのか!?」
「―――んなわけあるかいッ!!!」
駄目だ。
あたし、
完全に手塚のペース
「それだけ喋り倒せばだいぶ目が覚めたんじゃないのか?」
巻き込んでいるようで、巻き込まれている。
それは勝負強さのせいなのか
テニスによって培われたものなのか
それとも
「さあ、続きをやろう。世田谷。」
ただ単にあたしが君を好き過ぎるだけ、なのか―――?
観念して放り出してたシャーペンを握り直す。
やぱり手塚と勉強するの、嫌いよ。
「世田谷はやれば出来る子だからな。」
「……そんなの知らないくせに」
「世田谷のことなら大体解るぞ、俺は。」
自信満々に言い返す、君のペースに巻き込まれてる。
わかってるよ。
……あーあ、本当に頭が良くなればいいのに、あたしも。
I know
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
170108
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