ハローワールド
そんなに目、キラキラさせられると
ああ、もう、って思っちゃうよね。
「面白い?」
「え?」
「テニス面白い?手塚」
くだらない争いだと
君は一蹴するけど
「また世田谷の病気が始まった。」
「だってー」
「テニスに嫉妬してどうするんだ。」
そうやって皮肉言う間も
テレビから目を離さないのよ?
わかる?
「相手は世界なんだぞ。」
「ふーん……強いんだこの人」
「お前も、俺も。」
「……なんであたし?」
「俺がここに立ったら、」
長い人差し指が画面の向こうの芝生を差す。
忙しなく動き回る人影
「お前も一緒にここに居るんだ。」
固唾を飲んで見守る観衆
「テニスに妬いてる場合じゃない。世界が相手だ。」
……目のキラキラ度、上がってない……?
世界相手に戦うの?
手塚はともかくあたしも?
マジでか。
「もっと勝てる気しないんだけど……」
「そこは強気で行かないと、本当に負けるぞ。」
「だって手塚のファン昔っから怖いし」
「大丈夫、一番怖いのは世田谷だから。」
「……」
「……褒めてるんだぞ一応。」
「一応ね」
「昔から世田谷の方が強いだろう?」
「……一応ね?」
やっぱり君も
あたしも
テニスを相手に戦っている。
今日も明日も明後日も。
「これ買ったら優勝?」
「そう。世界一。」
「……ここに立つの?ホントに?」
「立つよ。絶対。」
キラキラの瞳で、手塚はあたしに微笑んだ。
その笑顔、多分世界中で誰も敵わない。
ハローワールド
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
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