シャイン
「いいよね世田谷さんって。なんか、キラキラしてて」
足元に、たまたまあった石に罪はない。
思いっきりという訳でもなく、かといって偶然でもなく、蹴り飛ばす。
2、3回跳ねて脇の草むらへ消えていく。
「……なんだよ、キラキラしてるって。」
本音を言った大石に罪はない。
だけど頭が勝手に言い訳を考えていた。
もしかして大石は世田谷のことを気にしているのか?
キラキラしてるなんて、同級生だぞ。
そんなの不二に言わせればおっさんクサいとかそういうカンジの返答だぞ。
というか。
というか。
「かいちょーう」
今日だってそんなにキラキラしてなかった。
いつも通り俺の目の前でダラダラ日誌が書けないと嘆いていた。
そのうち窓の外を見つめだすんだ。そうしたら詰んでいる証拠だ。
俺は文庫本とその横顔を何度か見比べて、溜め息を吐くんだ。
お約束の流れだ。
「……世田谷、手が止まっている。」
「……」
「そんな顔をしても駄目だ。」
「……会長、眠たい」
「家に帰ってからな。」
「もう帰りたい」
「日誌を書いてからな。」
「なんも書けない……!」
「俺に甘えても無駄だ。」
なんだよ、キラキラしてるって。
俺にはそうは見えないぞ!?
なんだかいっつも半泣きだったり半ギレだったり、
「かいちょーう」
遠くからでも手を振って
近くに居たら駆け寄って
「……キラキラしてるな、確かに。」
遠くに居ても見つけられて
近くに来れば、うれしい。
……なんだよキラキラしてるって!!!
俺は、
「……っ、」
俺だって世田谷のこと。
だいぶ眩しい、と思ってる。
大石よりも前から眩しいと思ってる。……思ってた。
シャイン
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
180415
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