風間さんと出会って、気になって、もどかしくて、苦しくて、胸が締め付けられて。
もっと仲良くなりたくて、会いたくて、知らない相手に嫉妬して、自分を責めて、避けようとした。
この一か月ほどの間で、今までにないほど目まぐるしく私の感情は移ろった。
喜怒哀楽、戸惑い悩み、自分とここまで向き合ったのも初めてだ。
人をこんなに好きになったのも。
彼女が僕と話をしてくれる、という返答は意外だった。
もっと露骨に避けられてしまうと思ったからさ。
公園に座って、お互いの気持ちを少しずつ打ち明けて、これまでの期間で出来上がった壁が崩れていった。
知っていくほど、とても簡単なことだったことに気づく。
…僕も彼女も、同じ気持ちでいたということに。
彼女の意地っ張りと僕のふわふわとした態度が相乗効果になってしまったようで、却って逆方向に向かってしまっていたんだ。
それでも僕は、彼女に思いを伝えきれずにいた。
僕のような男が、と恥ずかしいばかりなのだけど、どう言葉にしていいかわからないんだ。
女の子の友達が多い僕は、デートとかお喋りとか二人で過ごすとか、そういったことは日常だった。
だけどこんなに奥手になってしまうとは。
こう言えば相手は喜ぶとか、こうしてあげたら嬉しいだろうとか、そう考えながら接してきた。
でもね、君に対しては違うんだ。
今までなら当たり前に言えていたことが、喉でつかえて出てこない。
君がどう反応するかがわからなくて、怖くなって、言いたいことが伝えられない。
こんなことは初めてで、すごく戸惑ったよ。
それに加えて君の態度が、余計に僕を迷わせた。
そしてふと思い出したんだ。
そういえば昔初めて人を好きになった時、こんな風に悩んだなって。
相手への気持ちばかりが募って、それが上手く伝えられなくて、相手の言動でまた迷って…。
そこで僕は痛感した。
それまでに君を思っているということを。
そんな僕を、ダメな奴だと笑うことなく受け入れてくれた。
嬉しいと言ってくれた。
涙を流しながら微笑む君に、僕はちゃんと気持ちを言葉にして伝えてあげたい。
胸のあたりがぎゅっと締め付けられるような感覚。
僕にもまだ、こんな感情があったんだな。
他人事のようにそれを認識しながら深呼吸を一つ。
背中を抱いていた手を彼女の肩に乗せ、真っ赤な目に見つめられながら、僕も微笑み返した。
甘くて酸っぱい、それは忘れかけていた初恋の味