肩が重いなと思った。一日中モニターと睨めっこしていたら肩も凝るか・と自己完結して、熱いシャワーを浴びるため衣服を脱ぐ。最近になって支給されたソレスタルビーイングの新しい制服。今までは私服だったから制服という存在が本当に珍しい。与えられた服の色は、白。真っ白な生地のそれを見て、少し苦笑が零れた。
あの人も、ノエルは白だと言ってくれていた。その制服の上着を脱ぐと素肌になった背中に長くなった髪が掛かる。もう随分切っていない。暫く肩に零れていた髪を一房掴み、それをじっと眺めていたノエルは近くにあった剃刀を手にシャワールームに入る。蛇口を捻って熱いシャワーを全身に浴びて暫く経った頃、手にしていた剃刀を髪へと近づける。勝手が分からないので、とりあえず刃の部分を髪へと当てて引っ張ってみた。ぱさりと湿った髪がタイルへと落ち、湯に流され排水溝へと吸い込まれていく。しまった、これじゃあ排水溝が詰まってしまう。それでも、手を止めることは出来なかった。ざくざくと、鏡がないから適当に手が楽に届く範囲まで髪を切り落としていく。そして仕上げにシャワーを頭から浴びて、お湯を止めた。

バスタオルを巻いて外に出る。鏡で自分の姿を見てみれば、いつ以来ぶりに髪を短くした自分がいた。肩につくかつかないか、それくらいの長さ。
アレルヤが見たら、なんて言うだろう。長い髪が好き・と言ってくれていたから、どんな反応をするかな。少し、楽しみ。

そのとき、部屋に備え付けられた端末が高いアラーム音をたてた。呼び出しだ。急な任務でも入ったのだろうか。髪を乾かすのもそこそこに、急いで脱いだばかりの制服を纏って外に飛び出す。
時間がなかったので一緒に送信されていた任務の内容は、どうせ後で説明されると思い見ていなかった。

それが、アレルヤが捕虜となって敵に捕らわれていることが分かったということ。
そして彼の救出に関するミッションの立案に関する会議が始められるとの知らせだったことを知るのは、ほんの少し後のこと。


「生きてた」


ノエルの呆然としたその呟きに、ティエリアは「だから言っただろう」とただ答えるだけだった。


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