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爆発はそれなりの大規模だったーー建物の全てを、からくりも実験も資料も全てを跡形なく消し去るくらいに。連続して響き渡る爆発音がようやく落ち着いたころ、2人は乗っていた宇宙船の前に到着した。神威がまず乗り込んで、後ろの席に座る。続いて乗った名前がそれを操作して、宇宙船は星を離れた。窓の向こうには真っ白な氷の星が広がっていた。氷に包まれた星の表面には氷以外に何もない。水が蒸発するために必要な熱さえ届かないほどに太陽から離れたこの星では滅多に雲も現れないため、そのただ氷だけに包まれた地表をよく見ることができた。離れてゆくにつれて星の全貌が露わになる。それは青白く光って見えた。


宇宙の外から見れば白く美しい球体をしたその星は、遠くにあるから美しいのであって、近くにあっても美しいとは限らない。

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