◇1
久しぶりにきた彼氏の家では、彼氏と知らない女が裸で抱き合ったまま寝ていた。
「もぉー!信じられない!!何あれ!?意味わかんない!!」
「ちょっと、朔ちゃん落ち着こう!?ね!?」
あの光景を見て、じっとしていられなかった私は同じゼミの佐助を飲みに誘った。
初めは、よかった。
冗談混じりで話して笑い話にできた。
でも酔いが回るにつれ、沸々と怒りが出てきて、仕舞いには涙まで止まらなくなった。
「そりゃあさ?私も悪いとは思うよ?サークルの旅行とかバイトとかゼミの飲み会とかでほとんど会えてなかったし?でもさ?夏に二人で旅行したいねってあっちが言うからだから私頑張ってバイト励んだんだよ!?なのにあっちは浮気!まじでもうありえないー!!」
浮気の理由は寂しかった。
構って欲しかった。
そばにいて欲しいのにいてくれなかった。
「そんなん私も寂しかったわボケェ!!つうか、あんたは女か!!」
「それで別れてきたの?」
「一発殴って合鍵叩きつけてやった」
「あはーさすが朔ちゃん」
すごいねーと笑いながら頭を撫でられて、あぁ、ますます涙腺が弛む。
「………これは悔し涙だからね。悲しいとかじゃないからね」
「うん」
優しく微笑んで、でも手をやすめることはなくて。
あぁ、佐助はこんなにも優しい。
「あー…佐助が彼氏なら幸せだろうなー……」
面倒見よくて料理もできてちょっとオカンだけどかっこよくて…優しくて。
こんな人が彼氏だったら毎日楽しいだろうなー…なぁんて、
「じゃあ、俺様と付き合う?」
「……へ?」
心読まれた?
「全部声に出てるから」
「……まじっすか…」
「あはー。で、どうする?」
付き合うー?と軽く言われても、今しがた失恋したばかりで新しい恋とかってあんま乗り気になれないというかなんというか。
これは冗談か?
「言っとくけど冗談じゃないからね?言えずにいただけで、ずっと朔ちゃんのこと好きだったんだよ」
知らなかった?なんて首傾げられてもわからない。
確かに、ゼミのときとか飲み会のときとか常にそばにいてくれてたけど。
佐助のこと好きな時期もあったけど。
でも無理っぽいから今の彼氏で落ち着いたんだけど!
あ、元だった。
「……私絶賛失恋中…」
「俺様が慰めてあげる。寂しくなんてさせないよ。いつだって呼べば飛んでいくから」
佐助はもう一度好きだよ・と囁いて額に軽くキスを落とした。
眩暈を覚えた
(これは夢だ。うん夢だ夢)
(じゃあ、これから愛を確かめに行くー?)
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