◇1
夏の匂いのする夜。
現代では見られないであろう、満天の星空に溜め息が零れた。
現代人はいつでも輝く人工の光を手に入れた代わりに、自然の光を失ったのかもしれないと思うと切なさを感じる。
「なーにしてるの?」
「……佐助」
後ろを振り返ればいつもの迷彩模様。
これをいつから"いつも"だなんて思うようになったのだろうか。
「お子様は寝なきゃだめでしょー?」
「佐助も起きてるじゃん」
「俺様はお仕事だからいーの」
ふふん・なんて笑う佐助にムッとすれば、今度は困ったように笑って柱に寄り掛かった。
「眠れないの?」
「ん……なんか、ね…」
ホームシック、とでも言うのだろうか。
なんだか妙に寂しさを感じて、一人ではないけれど独りだと考えてしまう。
いっそこのまま空気に溶けてしまいたくなるような……
「帰れるよ…なんて気休めなこと確証もないから俺は言えないけど、ここには大将がいる。旦那だっている。我慢しないで甘えてみたら?」
意地張ってないでさー、なんて肩をすくめる佐助に苦笑い。
なんでこう…考えを読まれてしまうのか。
忍だから?
「…あ、オカンだから…?」
「ちょっとなんか聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど!?」
「気のせいだよ、オカ…佐助」
「もう大分言ってるからね!?俺様オカンじゃないから!!」
わーわー喚く佐助に(と言っても夜遅いので小声だけど)少し、少しだけ気持ちが解れた。
それが嬉しくて。
「…佐助にも甘えていいのかなー?」
なんて言えば。
「……まぁ、暇な時とかなら聞いてあげてもいいけどー?」
なんて笑うから。
また少しだけ寂しさが薄れた。
「……ありがと」
「どういたしまして」
ト レ モ ロ
満天の星空のもとでお喋りを
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