◇1
私は彼が好きだ。
その気持ちを恥じたことはない。
寧ろ、誇りに思う。
私は彼を好きになれたことに嬉しささえ覚えたのだ。
「おはようさん、朔」
おはよう、謙也。
「今日も可愛えぇな〜。めっちゃ癒されるわ〜…」
私も謙也の笑顔に癒されるよ。
「いつもありがとな。朔はよぉ気持ち分かってくれるから一緒におると安心すんねん」
だって、好きだから。
君がとっても誰よりも大好きだから。
謙也が笑ってくれるだけで私も嬉しいの。
優しく撫でてくれる手とか
抱きしめてくれる腕の暖かさとか
可愛いと言ってくれる優しい声とか
たまに試合に負けて落ち込みながら話しかけてくる姿も
後輩の光って子にいじられてる姿も
スピードスター!とかちょっとバカなところも
言い出したらキリがないくらい私は君のすべてが好きだよ。
「あ、朔。あんなぁ、これから彼女来んねん。どないしょ。なんか緊張してきたわー…ええ子やから仲良うしたってな?」
にっこり嬉しそうに笑う謙也に答えるように私はないた。
ピンポンの音に謙也は、私の頭を撫でていなくなる。
ねぇ、謙也。
私ね、君が好きなの。
家族愛とかそんなんじゃなくて。
君が、謙也が一人の人として、大好きなの。
でも、伝わらないね。
私がイグアナで、君が人間だから。
愛しそうに彼女を見る君を見続けるのが辛い。
彼女と仲良くしてと言われた言葉が苦しい。
ねぇ、謙也。
いつもみたいに撫でて。
可愛い可愛いって抱きしめて。
あぁ、でも。
君が幸せなら私も嬉しいから。
私は君を応援するね。
(愛してます)
愛し
(彼が連れてきた彼女はとても可愛らしい女の子でした)
(彼の言った通りいい子で)
(憎むことも恨むこともできないほど)
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