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「「阿散井せんぱーい!」」

「おー、なんだ?」

「私たちこれから実践なんですよー!すごい緊張してて!」

「気引き締めてきゃ大丈夫だろ。上の人の指示はちゃんと聞いとけよ?」

「「はーい!」」



恋次にきゃぴきゃぴ(古い?)話しかけていく女の子たち。
去り際になぜか睨まれる私。


「あんたには負けないってか…」

「なんだよ、どうかしたか朔?」

「んー…なんでもない」


恋次の疑問ににへら、と笑って誤魔化す。
というかね、睨む相手間違えんなよって話ですよね。
そんなことをつらつら考えつつ、恋次と二人他愛もないことを話しながら歩く。



「…あ、朽木さんだ」

歩く先に見覚えのある黒髪の少女を見かけて立ち止まる。
呼びかけようと手を上げたところを恋次に止められた。


「どうしたの?朽木さんに声かけないの?いつも呼びとめるのに」

「あ、いや…今はいい。あいつも忙しいだろ。行くぞ」

「あ、うん」



そういって朽木さんとは違う方向へ進んでいく私たち。





ほら、さっきの女の子たち。
見てみなさいな、今の恋次の顔。
睨むべき相手は私じゃないでしょ?



(私ならそんな顔させないのに……いや、違うか。私じゃそんな顔させられない、が正解だわ)




「…恋次―桃たちんとこ行かない?」

「急になんだよ」

「いいじゃーん。次暇なんだし気分転換!はい、れっつごー!」

「ちょ、おいひっぱんな!」





痛むな痛むな、私の胸。
笑え笑え。
頑張れ表情筋。
泣いたりなんか、しない。







「桃―!イヅルー!お団子食べいこー!恋次のおごりで!」

「おいこら!ふざけんなよ!」

「あははっ!きーこーえーなーいー!」










失恋ソングが耳に入った
(あのこにはどうしても敵わない)
(泣いていいんだよ、朔ちゃん)
(ありがとう、桃。でも、泣かないよ)


title:10mm.



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