願いごと






それはある晩。









「こーんにちは!」

「…キミは…」

「うん、桃ちゃんと白と一緒にいる朔です!」

「……そんな子が何しにきたのかな?」

「お願いがあってきました」

「お願い……?」




私のふざけた態度から笑みを消した瞬間、向こうも空気を変えた。
訝しげにこちらを見て、後ろの3人を守ろうと臨戦態勢を取る…彼の有名なはたけカカシ。



「そんな身構えないでくださいよー。私怖くて泣きたくなっちゃう」

「…殺気をものともしない子が何言ってんの」

「ふふっ、ごめんなさい」

「……それで本題は?」



先を促されたから私は微笑んだ。







「桃ちゃん…再不斬と白を助けてください」

「…は?」



私の言った言葉は予想外だったらしい。
まぁ、そうだよね。
私も予想外だもの。




「キミ自分が何言ってるかわかってる?」

「いやだなー私そんなに馬鹿じゃないですよ?もう一度言いますね。再不斬と白を助けてください」


今度は頭をこれでもかというぐらい下げて言った。
はたけカカシもその後ろの3人も意図が掴めないらしく困惑していたけど。



「……なんでそんなこと頼んでくるんだ?」

不意に声を発したのは黒髪の…うちはサスケか。
カカシから目線をそちらに移して笑う。


「大切だから。好きだから。生きていてほしいと願ってしまったから。世間一般では犯罪者として有名でも、彼らはとてもいい人なんだよ。私を私なんかを拾ってずっとそばにいさせてくれた。何度も何度も怒ったり笑ったりしてくれた。知ってる?桃ちゃんって意外と泣き虫なの。あとツッコミが上手で……撫でる手が、不器用で優しいの。白なんてね、いつだって私を気にかけてくれて、桃ちゃんが一番大事って言いながら私のことも好きだって言ってくれるの。ちゃんと怒ってくれるの。優しく、優しく笑ってくれるんだよ。彼らは人だよ。血の通った、不器用で、大切だと思うモノを必死で守ろうとするどうしようもなく、いいこで、とても……愛おしいんだ」




そう。愛おしいんだ。
初めて知ったんだこんな気持ち。
誰かをこんなに愛おしいと思う気持ちなんて。
愛おしくて、大切で、だから、




「……生きていて、ほしいんだ…」



これはエゴ。
それでも、ナルトに出会って嬉しさを感じてた白が。
カカシとの対決をどこか楽しみにしてる桃ちゃんが。


なんで、死ななくちゃいけないの。




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