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「……」


ふと、弔の顔を眺めながら、先程の轟くんのことを思い出したので、聞いてみた。

「弔と私に子供ができたとして、その子はどんな個性を持って生まれるのかな?」


さすがに突拍子がなさすぎる。


「??
なまえ、ガキ欲しいの?
まだ数年早いだろ。」

俺、しばらくなまえと2人だけがいいし。
と続ける弔に


そう思うなら弔はちゃんと避妊しなよ!
と言おうと思ったが、
向こうは自分が昔から、
今も生理が重いのでずっと避妊薬を飲んでることを知ってるし、

何より今ここでその発言をしたら、絶対話が脱線するかそのまま朝まで抱き潰されるかのどちらかなのでやめた。


「いやそうじゃなくて、今日の体育祭、半冷半熱の個性持った子いたでしょ?
なんかね、その子のお父さんとお母さんは個性婚をして、あの子が生まれたんだって。」

「あー…あのエンデヴァーの息子とかいうやつか。」




その子を見てたら、例えば破壊の個性を持ってる弔と
無効化の個性を持った私に子供ができたら
どうなるんだろう。


「と、思ったわけです。
なんかやっぱりDNAが相容れない感じで反発しあって逆に無個性になっちゃったりするのかな?」

「知らん。でも逆になんかすごいチートキャラみたいなのが生まれるかもな。」

「どっちも使えたらめっちゃ強そう。」

「まぁでも絶対なんてことはないから、
それは生まれてきてからじゃないとわからないだろ。
考えるだけ無駄だな。」

「そっかぁ。
まあ確かにそもそも私も自分になんでこの個性があるかって聞かれたらよく分からないもんね。
母親は多分そういう系の個性は持ってなかったし。

誰だが分からないけど父親側になにかそういう個性があったのかな。」



今となったらもう知りようがないことだけど。


世の中はまだまだわからないことがいっぱいだ。



「うーん。
やっぱり、私はまだまだ甘やかされたいかも。」

「なまえはまだまだガキだからな。」

「そうなんですよ!私子供なんです!」



だからたくさん甘やかして?




「ハイハイ。」


弔は隣に座るなまえの脇の下に手を入れ抱き上げて向き合うようになまえを自分の膝の上に乗せる。




「明日も明後日も私学校休みだよ。」

「じゃあ一日中ずっと抱かせて。」

なまえがもう充分だって思うまで、甘く溶けてしまう程ドロドロになるまで愛し合おう。






なまえはそういう意味で言ったんじゃないんだけどな、
と思ったが




(まあ、それでもいっか。)

と、どちらからともなく重なった唇と同時に

するりと服の下を這う彼の手に全てを委ねた。