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最近、バーには弔の元に集まった人達がよく出入りしている。

今日は

「こんにちは。マグネさん、トガさん」

「あらぁなまえじゃない」

「!!なまえちゃん!!」


この2人がいた。
ちょうどいいので今回は女子だけでトークをしよう!!




「なまえちゃん、私たちお友達だよね?お友達なんだから下の名前で呼んでください」

「そうよ、私のこともマグネさんなんて堅苦しい呼び方しないでマグ姉って呼んで」


基本的になまえは大体相手のことをさん付けで呼ぶのだが、本人達がこれ程言うのだから拒む理由もない。



「分かりました、マグ姉、ヒミコちゃん」

「なまえちゃん!嬉しい!」

トガはぎゅっとなまえに抱きつく。



「それにしてもアナタここに来るなんて珍しいわね。何か用でもあったのかしら」

「いえ、特にそういう訳じゃなくて。部屋にこもっているのも勿体ないなと思って、ふらっと寄ってみました」


「それじゃ、このチャンスを逃すわけにはいかないわ。たくさん聞きたいことあるんだから」





そしてなまえに抱きついていたトガは、なまえの首元に残る赤い跡を見つけた。



「なまえちゃん、ここどうしたの?」

「へ?」

なまえは、持っていた手鏡で首元を写す。


「あらやだァ〜」


「!!!な、な、な、な、な、なんでもない!です…」




そこにはくっきりと昨夜、情事中弔に付けられたキスマークが残っていた。

彼は噛み癖もあり、キスマークを付ける量も多いので、なまえの体中には
あちらこちら常にキスマークや歯型の跡が付けられている。

それがたまたま洋服で隠れる位置であったり、髪型で見えなくしたり、頑張ってコンシーラーで隠したり、絆創膏を貼ったり


とにかくなまえのたゆまぬ努力で隠されているのだが
今日は学校もなく、特定の誰かに会う予定もなかったため、そこまで気が回らなかった。
しかも今日はワンカールのポニーテールのため、髪の毛で隠すことも出来ない。

(髪の毛巻いてるとき、気づけば良かった…!!)




「この子の彼氏、どう見ても独占欲が強いもの。仕方ないわね」

「…?なまえちゃん、これ弔君にされたの?」



(しかもみんな知ってるの?!)



それはもう、向こうがめちゃくちゃなまえは自分のものだから手を出すなとか、怪我させたら許さないとか耳がタコになるレベルで言っているので
みんな知っている。



「〜〜〜〜うぅ…」

何から何までただひたすら恥ずかしい。

「やっぱり悪いオトコって独占欲も強くて魅力的〜夜もやっぱり激しいのね」

「なまえちゃん他にも跡たくさん付いてる!」


ひょいっと襟元から胸元まで覗かれてしまいたくさんの跡が見えてしまう。

「ヒミコちゃん…っこれ以上はだめっ…」


耐えきれず、涙目になるなまえ。


「いいなあ弔君。私もなまえちゃんチュウチュウしたいです」


それはまたちょっと違う意味だよね?!?!


「それにしても彼が羨ましいわ、こんな可愛い彼女がいて」

「あんまりこういうこと他の方と話したことないので…ほんとうに恥ずかしい…です…」


だって自分達のこと、これまで知っていたの、先生とか黒霧とかだけだったし。




「なまえちゃんは弔君のどこが1番好きなの?」


「どこ!?どこかなあ?んん…具体的にだと難しい…嫌いなところないし…そうすると全部??好き…かなぁ…」

「「おおー!!」」




ガチャっ






「おまえら何やってんの?」



「あら、噂をすれば」


「なっ…!!弔……わーーーん!!!!今はやだ会いたくない!」

なまえはそう言って部屋を飛び出していく。


「え、何?ちょっ…なまえ?!どこ行くんだよ!」


「ねえねえ、なまえちゃん弔君のこと全部好きだって。」

「ハ?当たり前だろ、俺だってなまえのこと全部好きだ」

「ほんととんでもないバカップルね…」





一人になったなまえは2人に言われた

「どこが1番好きなの?」

という言葉を反芻する。


自分を呼ぶ声も、繋いでくれる手も、こんな自分を必要としてくれることも、必ず助けてくれるところも、独占欲が強いところさえも
「ほんとに全部好きなんだもん…ッ」


1番どころではない。

でも見えるところに跡をつけるのは恥ずかしいしちゃんと言おう!
と決意し


その後、弔に


「他の人に見えるところには恥ずかしいからキスマーク付けないで」

と言ったものの

「無理」

の一言で一蹴されて終わった。