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電車に乗っておよそ15分程度。
「ここで降りるよ」と言われ降りてみれば、そこはここら辺ではなかなか大きいショッピングモールがある駅だった。私も何度かそこに出かけた事がある。
改札口を出てショッピングモールに向かいながら、私はヨハンさんに話しかけた。
「あそこのショッピングモール、色んなお店があっていいですよね。私も何回か行ったことがあります」
「ああ、オレも行ったことあるんだ。一回だけだけどな」
「一回?」
「十代が、エビフライが上手い店があるから一緒に来てくれっていうからさ。その時にな」
「そうだったんですね。十代さんはエビフライが好きなんですか?」
「ああ。大好物みたいだぜ」
「ふふ、可愛いですね。子供みたいで」
そんな話をしながら歩いていると、ショッピングモールの入り口にたどり着いた。ヨハンさんはフロアの案内を見るでもなく、「3Fに行こう」と迷いなくエレベーターに足を向けた。
3Fのフロアには、雑貨やコスメ、カフェといったものがあった。ここの商業施設はひとつひとつのフロアが広いので、初めて見るお店ばかりだ。
ついきょろきょろと辺りを見回しつつもヨハンさんの後ろをついて歩いていると、突然ヨハンさんが立ち止まった。
「着いたよ」
「え?」
「ここなんだ。連れて来たかったところって」
「ここって…」
私はそのお店を見て、思わず息を飲んだ。
一見すると可愛らしい外観のカフェなのだけれど、そのお店の入り口には、私の大好きな宝玉獣たちがポップな絵柄で描かれている。
そしてショーウィンドウに並ぶメニューをざっと一瞥しただけでも、宝玉獣をイメージしたドリンクやフードが並べられているでないか。
お店の入り口には「cafe rainbow」という店名が虹のポップを背景に大きく掲げられていて、それを見て私はようやく状況を飲み込むことができた。
「もしかして、宝玉獣のカフェ…?」
「そ。今月オープンなんだってさ。つい最近テレビで見て知ってさ」
一応驚かせたかったつもりなんだけど、もしかして知ってたか?と僅かに不安そうな表情を浮かべるヨハンさんに、私は思わず飛びついた。
「わっ、ユリ?!」
「知らなかったです!ありがとうヨハンさん…!」
感激のあまり、ぎゅう、と彼の身体を抱きしめてしまう。その時ふわりと香った、おそらく柔軟剤であろうその匂いはとてもいいものだと思った。
「…っ、ユリ」
「ヨハンさん?」
名前を呼ばれて見上げるも、すぐに顔を逸らされてしまった。そして手の甲で口元を押さえて小さく「悪い、今こっち見ないでくれ」と小声で言われ、私は慌てて身体を離した。
「あぁっ、ごめんなさい!感激のあまりつい…!」
「いや、こっちこそ…。と、とりあえず入ろうぜ」
顔を背けたまま、ヨハンさんは少し足早に店内へと向かっていく。私はそれを小走りで追いかけた。
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