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※軽い性的表現あり
閲覧は自己責任でお願いします。
半ば無理やり亮の車に乗せられ、そのまま滑るようにして道を走る。
途中で逃げ出したって良かった。その手を振り解いて走り出したって良かった。
でもそれができなかったのは、私の頭の中を先ほどの事実がぐるぐると巡っていたから。どうしてヨハンさんは、私にまだ転勤の事実を伝えてくれていなかったのだろう。
停車した先は見知らぬマンションの駐車場。
ぼうっと座ったままでいると、隣の座席からカチリとシートベルトを外されて、亮にゆるく抱き締められた。
「降りるぞ」と告げられ、混乱した頭のまま私は亮に手を引かれて歩き出す。
やはりというか、なんとなく想像していた通り、着いた先は亮の家だった。表札に「丸藤」の文字が見えて、ああ此処に住んでるんだな、と頭のどこかで思う。
室内に入ると亮が玄関の鍵をガチャリと閉める音。扉と亮の間に挟まれる私は、俯いたままでいた。
「いつまで泣いている」
「…止まらないんだもん」
素っ気ない言葉とは裏腹に、亮は指先で私の涙をそっと払ってくれる。顎を軽く持ち上げられたかと思うと、涙で滲んだ視界に亮の顔がいっぱいに映った。
「…っ」
優しいキス。
壊れ物を扱うかのようにそっと。そのキスは私と亮が付き合っていた頃のものを彷彿とさせるものだった。
「だ、め…亮」
「オレならもうお前にそんな顔はさせたりしない。二度と…お前から離れたりしない」
きつくきつく抱き締められる。
「好きだ、…ユリ」
そこからの出来事は、まるで夢の中のもののようだった。
薄暗い室内。
私に覆いかぶさる亮。
まっすぐに私を見つめて、何度も「好きだ」と告げられる。
首筋に、鎖骨に、胸に、腰に、中心に、亮の指先や唇が触れていく。
降ってくる口付けや感触、時折感じる亮の香りは、かつての私が全て体感したものだ。
けどそれを愛おしいと思うことはもうない。
いま私が心に描くのは、恋しいと思うのは、他でもないあの人なのだから。
それでも抵抗しないのは、この壊れた心を少しでも温めて欲しいから。要するに私は弱いのだ。その弱さを理由にして、かつての恋人に温もりを求めた最低な人間なのだ。
亮の長い指が、濡れた箇所をゆるゆるとなぞっていたかと思うと、つぷりと音を立てて中へと侵入してきた。ヨハンさんのものとは違う、指の感覚。
かつて何度も身体を合わせたゆえに、亮は私の弱い部分を知り尽くしている。
緩急をつけてそこを責められると、自然と声が漏れてしまう。
「ぁっ…、ん、やぁ…」
「もっとだ…もっと聞かせてくれ」
「!ん、ぁあっ…」
指が二本に増やされ、素早く出し入れをされる。どんどん潤っていく私の中心は、亮の指の動きに合わせてちゅくちゅくと水音を立てている。
「…はぁ…っ、亮、も、やめ…」
「今更やめられると思うのか?」
「っ…」
余裕のない声と、すっかり上がっている呼吸。
亮のモノはもうどうしようもないくらいに昂っているのが、衣服越しにもわかった。
ベルトを外す金属音。
ズボンと下着を脱ぎ去る衣擦れの音。
いささか強い力で足を広げられ、そこに亮が割って入ってきた。
『…痛いか?』
『ううん、大丈夫…です…』
あの日、ヨハンさんの腕に優しく抱かれた記憶が蘇る。その優しい眼差しも、心配してくれた顔も、愛おしくて仕方がない。
ーでもいま私を抱いてるのは、彼じゃない。
「…っ、…ユリ…」
「ぁ、…ん…!」
亮が緩やかに腰を前後に動かし始める。
最初こそ緩急をつけた動きだったけれど、次第に余裕がなくなってきたのか、規則的に腰を打ち付けるような動きに変わっていく。
「ぁっ、ぁん…やぁっ、亮…っ」
「好きだ…ユリ…」
ーねえ、ヨハンさん。
貴方も私を、置いていってしまうの?
「も、やめ…っ、はぁ…っん」
体勢を深くし、亮は私に口付けた。
まるで奪うように、逃がさないというように。
弱いところを何度も何度も強く突かれ、白いもやのようなものがじわじわと頭を覆っていくのがわかる。
快感に溺れてその頂点に達する直前に頭に浮かんだのは、ヨハンさんの笑顔だった。
「ん、ぁあ…っ!ゃあ、ん…!」
…ねぇ、また私は、一人になってしまうの?
薄暗い部屋の中、ベッドの脇に置かれた鞄の中で、携帯のバイブが鳴り続けていた。
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