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翌日、私は大学へ向かった。
心配してくれていた友達も、私の姿を見て安心したらしい。昼休みに慎也君が家に来たことを話すと、とても驚いていた。
「ええっ?!ユリの片思いの相手じゃん!で、どうだったの?何話したの?」
「んー…昔の話しとか、親の話とか仕事の話とか。他愛もないこと」
「えっ、それだけ?せっかく久しぶりに会えたのに?」
「うん。でもね、話してて気づいたの。私は慎也君の事が好きだった≠だって」
会えて嬉しかった。
ドキドキもした。
でもそのドキドキは、昔からの恋心の名残のようなものなんだと、話しているうちに気がついた。
あまりに長すぎる間、私は彼に片思いをしていたのだ。成長して会える機会が少なくなっていくにつれて、自分の気持ちがちゃんと見えなくなっていた。
「そっか…気づけてよかったね、ユリ」
「うん。飲み会の日、ごめんね。あんだけ好きとか辛いとか言ってたくせに」
「いいよ、また飲み行こ!」
「…ありがとう」
にこっと笑う友達に感謝して、私は手に待っていたサンドイッチを一口かじった。
それから何事もなく、数日が過ぎた。
大学から家に帰り、コンビニで買ってきたご飯で適当に夕食を済ませる。テレビをつけてぼうっとしながらそれを眺めていると、ふとあることを思い出す。
…そうだ、慎也君の写真。
もう何年も私の定期入れに入れていた、彼の写真。開くたびにそれを眺めては心を満たしてもらっていたっけ。
立ち上がり、通学に使っているカバンを開けてピンク色のそれを取り出す。ぱかっと広げてみると、変わらず写真がそこにあった。
自分の気持ちにちゃんと気づけた今、この写真はもうここに入れておくべきではない。そう思い、写真を摘んで取り出した時。
はらり、と一枚の紙切れが滑り落ちた。
「…?なに、これ」
ただの白い紙切れだ。メモ帳か何かの切れ端だろう。不思議に思いそれを裏返すと、数字の羅列が目に入った。
「電話番号だ…」
走り書きだけれど、綺麗な字だ。
そしてこの文字を書いて紙を忍ばせることができた人物はたった一人。そう、槙島さんだ。
「…」
切れ端の数字を眺めながら考える。
私は電話をするべきなのか。
…ううん、したいのか、したくないのか。
しばらく悩んだ末、私は携帯電話に手を伸ばし、そこに書かれた番号をダイヤルし始めた。
番号の最後の方を押す頃には、どきどきと鼓動が早くなり、少し息苦しささえ感じた。
どうしよう、やっぱりやめてしまおうか、とすら思ったほどだ。
最後の番号を押し、緊張に震えた指で通話ボタンを押す。数回のコールの後、一瞬の静寂。
『…こんばんわ、ユリ』
携帯越しに、槙島さんの声が聞こえた。
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