純白の花1
そいつを見つけたのは、地下街でだった。
身売りに出されていた女。年は17.8歳程度といったところか。
「旦那、どうですかい?昨日入ってきたばかりの娘です。若いし身体に傷もない。おすすめの商品でさ」
反吐が出るような愛想笑いを浮かべる商人。
ソイツに首輪で繋がれていたその娘は、光の灯らない虚な目をしていた。
何かを話しかけたわけでもない。ソイツはそろそろと視線を上げ、俺を見て僅かに口を開いた。
ただ、それだけだった。
けれど。
「その娘を貰う」
気づくと、俺はそう一言発していた。
何か運命的なものを感じた訳でもない。
気まぐれに任せてその手を引いた訳でもない。
「…お前、名前は」
地上に出てからまず、娘に名を尋ねた。
ふわりと吹いた一筋の風が、彼女の柔らかそうな髪を弄ぶ。
「…ユリ、です」
「そうか。俺はリヴァイ。調査兵団の兵士長だ。よろしくな」
「…!」
肩書きを聞いて驚いたらしいが、ユリと名乗った娘はすぐに「はい」と返事を寄越した。
ただの偶然の出会い。
けれど至極当然のような流れで、俺はユリという存在を手にしたのだった。
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