純白の花4
翌日。
コンコン、という軽いノックの音で目が覚めた。
「俺だ。入るぞ」
ベッドから身体を起こし、リヴァイさんが部屋に入ってくる様子を見守る。彼は部屋に入って開口一番、こう言った。
「脱げ」
「………え?」
「聞こえてるだろ。服を脱げと言ったんだ」
私の聞き間違いだろうか。
いや、この距離で間違えるはずはない。彼はたしかに「服を脱げ」と言った。
固まる私をよそに、リヴァイさんは苛立った様子で眉間に軽く皺を寄せている。
「なんだ。俺が脱がしてやろうか」
「え?!ちょっと待ってください!!なんで急に…っ」
戸惑う私をよそに、部屋着のボタンに手を伸ばしてくるものだから、私は思わず後ずさった。
そこに。
「もーリヴァイ、そんなんじゃ怖がっちゃうに決まってるよ。相手は女の子なんだからさ」
「うるせぇクソメガネ。コイツがさっさと脱がねぇのが悪いんだろうが」
「全くデリカシーってものがないよね、君は。
あ、君がユリちゃん?私はハンジ!よろしく」
リヴァイさんの後ろから、高い位置で髪を括った女の人が現れた。背が高く、人の良さそうな笑みを浮かべている。
「へー、この子がね。ふうん」
頭の先から爪先まで、品定めをするようにじっくりと視線を送られる。一通り私を物色し終えると、ハンジさんは「よし!」と腰に手を当てて言った。
「じゃあユリちゃん、サイズ測ろっか」
「サイズ?」
なんのですか?と尋ねると、リヴァイさんが壁に寄りかかったまま答えた。
「お前、付けてねぇだろ。下着」
「………へ」
その言葉に私はばっと自身の胸元を見下ろす。
そしてすぐに恥ずかしくなり、毛布をひっつかんでそれに身を隠した。
「み、見ないでくださいっ!!」
「今更何言ってんだ。いいから早くハンジにサイズを測らせろ」
「…え…」
「今日は休みだからな。街に行く」
無論お前もな、とリヴァイさんは付け加えた。
「しかしリヴァイが地下街から君を連れてくるとはね。ホントに驚いたよ」
衣服を脱ぎ、ハンジさんに胸囲やら足のサイズやらを測ってもらう。さすがに見せられないため、リヴァイさんには部屋の外に出てもらうことにした。
「滅多にないことなんですか?」
「滅多にないどころか初めてさ。リヴァイとはもう長い付き合いなんだけどね」
「そうなんですか…」
「彼は何か言ってた?ユリちゃんのここが気に入ったから、とか」
「いえ、特に何も聞いてません」
「ふうん」
ハンジさんは呟くように答え、使ったメジャーを手で巻き取り、にこりと笑った。
「じゃあ、運命を感じたのかもしれないね」
「運命…」
きっとそんな大それたものではない。
ただの気まぐれだったり、些細なきっかけに過ぎなかったのだろうと考えていると、「さ、終わったよ」とハンジさんが私の肩を軽く叩いた。
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