03-1



 ぐらりぐらりと揺れる視界に、ぼんやりする頭へ近いのに遠くから聞こえる彼女の声。ベッドから立ち上がろうとして、足に力が入らずそのままベッドへと逆戻りした。

「……あ、だめですねこれ」
──えーと、38度3分。うんうん完全に風邪だねー。

 俺の額に手を置いたまま目を瞑って黙り込んでどうしたのかと思えば、どうやら熱を測っていたらしい。体温計を使うことなく調べられるとは、最近の幽霊は便利だなぁ。
 高熱でろくに動けない俺の代わりに、珍しく彼女があっちに行ったりこっちに行ったりと忙しなく動いている。その手には冷蔵庫から出してきたゼリー飲料や、薬箱から出してきた冷えピタと解熱剤が握られている。
 これを傍目から見たらポルターガイスト現象なんだろうな、とぼんやり考えながら眠りに付いた。

──ひぇっ、し、死んだ……!
 死んでねぇわ。


──「……!……、……!!」

 あまりの喧しさに目が覚めた。お姉さんは一人でも騒げるらしい、器用だな。

──私の声じゃないよ。流石の私も風邪っぴきの隣で騒ぐほど、常識を忘れちゃいないからねー。

 まさか彼女に常識があったなんて。口には出さなかったのに、無言で頭をど突かれた。体調不良の人間を殴るのは非常識じゃないんですか?
 そんなことより、と話を戻す為に彼女が口を開き、俺を起こそうと腕を引っ張る。

──そろそろ何か食べようよ。せっかく用意したのに寝ちゃうしさー。
「え、今そっちなんですか?」

 外から聞こえる喧騒の件じゃないのかよ。
 確かにお腹は空いていたから、大人しく用意された10秒チャージのゼリーを腹に収めた。味気なくとも、お粥なんて俺も彼女も作れないんだから仕方がない。
 今日はじめての栄養を摂取して、気分的にも体調的にも落ち着いた気がする。熱を測れば37度6分で、あとひと眠りして明日になれば微熱程度には下がっているんじゃないだろうか。

「…………」
──……無視するにも限度があるよねー?
「最初に無視したのは俺ではないです」

 室内のいつも通りな雰囲気で忘れそうになるが、未だに外からは喧騒が聞こえ続けていた。忘れそう、と言うかわざと無視していたんだけど。
 外の通りでまだ何かあったんだろうか。あったんだろうな。今日は轢き逃げか、爆破予告か、強盗か、引ったくりか。喧騒の中にヘリの音やパトカーのサイレンも含まれるあたり、結構な大捕り物の予感がする。カーチェイスは止めて欲しいな切実に。
 今日も今日とて、なんて物騒な町だろう。
 耳栓でもして寝直すか。ベッド脇の棚から耳栓を取ろうと手を伸ばした瞬間、ダンッ!!とドアが勢い良く殴りつけられた。叩かれたとか、ノックされたとかそんな易しい表現じゃなく、まさに殴りつけられたという言葉がぴったりな勢いだ。
 それはもう、ドアにどれだけ恨みがあるの?と問い詰めたいほど、ダンダンガツガツドンドンと遠慮容赦ない打撃が与えられている。
 え、うそ、こわ……。

「え、なに、開けた方がいいですか?」
──うーん、まぁ、なんか必死そうだし。でも開けたら開けたで何か起こりそう……。

 あの彼女ですら迷うレベル。
 耳栓をしようが、分厚い羽毛布団を引っ被ろうが、ドアは絶え間なく叩かれ続けている。怖っ、誰か警察呼んで……。
 息を潜めて待っても音は止まず、なんか段々慣れてきた。いや、めっちゃ叩かれていることに変わりはないんだけど。俺より先に慣れたらしい彼女が、フルコンボだドン!とか叫んだ時点でもう色々吹っ切れてしまった。
 布団を被ったまま、ズルズルとドアに近付く。振動で揺れ続けるドアに耳を欹ててみたが、残念ながらドアの悲鳴しか聞こえない。
 このドア壊れたら誰が修理費出すんだろ、俺の親かな?壊した犯人かな?
 いきなり全開にする勇気はまだ無いので、チェーンロックはそのままに、ドアガードだけ外してドアを開ける。ソッと外の様子を窺える程度に薄く開け、そして目と目が合った。
 変態さんとか異常者さんではなく、なんか重装備のポリスマンと。

「こ、子どもがいます!」
「なにぃ!?住人は全員避難したんじゃなかったのか!!」

 蜂の巣をつついたような騒ぎに、俺はまたソッとドアを閉めた。そしてまた始まるフルコンボだドン。強ぃ。
 それから無理矢理ドアを開けられたけどチェーンロックで引っ掛かって、でも問答無用でチェーンロックを切られて、今度こそドアを全開にして無理矢理保護された。

「君、避難命令が出ていたのにどうして残っているんだ。親御さんは?」
「今はそれどころじゃあないでしょう。タイマーが止まっているとは言え、すぐそこに爆弾があるんですから、まずは避難させないと」

 今このポリスさん爆弾とか言った。さすがは米花町!本日の事件は爆弾事件です、現場のモブ男さーん。はーい。……じゃかぁしいわ。

──今あの人爆弾って言った?爆破事件……、この廊下……、たしか今日の日付って……、それにあの人もしかして……?
「(?お姉さ、んっ!?)」

 何かぶつぶつ言ってるな。と思ったらいきなり力一杯背中を押された。てーい、じゃないよ。ちょっと肺から空気無くなったんですけど苦しい。
 バランスを崩して床をコロコロと転がり、辿り着いたのは爆弾の目の前。お姉さんは俺のことが嫌いだったのかな?好かれてるなんて烏滸がましいけど、流石に嫌われてないと信じていたのに裏切られた気分。

「おっと、大丈夫かぼうず」
「大丈夫です、すみません……」

 転がった先にあった爆弾に固まる俺。爆弾の前に片膝立てて座っていたタレ目のお兄さんが、そんな俺を気遣って笑い掛けてくれる。人の優しさが胸に沁みた。その点やっぱり幽霊は駄目だな、体温も無いし心も無い!

──はーいはいはい。そんなことより、とりあえず今は掴んでー、離さないでー。
「ん?どうしたんだ?」

 内心で皮肉を言ったのに、軽く流されて意味の分からない命令をされた件。そして勝手に動いた両手は、目の前のお兄さんの服を掴んで離しません。どうした?て俺が知りたい。え、ほんとに何で?

「?!……っ??」
「ぐぇ、あ、あんまり引っ張るなよ。苦しいからな」
「??!」
「驚きすぎて声になってねーぞ」

 目の前でお兄さんが苦笑いを浮かべるし、頭上では彼女がオホホホホと笑っている。前者は許すが後者は許さん。

「混乱がひどいようだな。タイマーも止まっていることだし、後のことは任せて下がっていいぞ」
「わかりました。残りの処理をお願いします。
 ああ、もう無理に離そうとしなくていいぞ。掴んどけ掴んどけ」

 何このお兄さん、見た目もイケメンだけど中身もイケメンとか完璧かよ。トゥンクってやつだろこれ。彼女からの望まない英才教育で知ってる。
 お兄さんはそおまま俺の小さい体を軽々と抱えて、爆弾から距離をとって他のポリスマンたちと一言二言かわしながらその場を離れた。俺がご迷惑をお掛けします。
 ついでに、俺が残っていたことを含めて、もう一度各階の部屋に本当に誰もいないのか確認していくらしい。最低限の人員だけ残して、後は階下に向かうことになった。

「た、タイマーが動き出しました!」
「なんだと!?総員、直ちに退避ぃっ!!」

 おっ?おっ?おっ?おっ?
 状況を飲み込めない俺と違って、事態を理解したお兄さんは顔を顰めて舌打ちすると俺を抱える腕の力が強くなる。俺が見付かった時の騒ぎようなんて目じゃないくらい、周囲が慌ただしく動き始めた。

「悪いなぼうず、無事だったらお前にも美味いもの奢ってやるよ」

 お兄さんそれフラグじゃないかな?
 一層強く抱えられて、軽く浮遊感。それから視界の端に目を開けられなくなるくらいの強い光をとらえて、きつく目を閉じた。次いで掛かる強い圧力に、爆発ってスゲェ……、その時改めてそう思った。

_ _ _
 あれから四年経った。

 あの時は最悪死んだかなと覚悟していたが、まさかほぼ無傷で生還できるとは思ってもみなかった。生還という点では、お兄さんや他の警察の人たちも全員だ。
 爆発前の浮遊感は、お兄さんが階段から飛び降りた時のものだったらしい。爆発の影響は仕掛けられていた二十階内でほぼ収まり、直前までに全員が近くにあった階段を飛び降りていたため無事だった。軽い打ち身や軽い火傷、受け身に失敗した人は骨にヒビが入りはしたが、命に別状はなかった。
 止まっていたタイマーが急に動きだし、予想だにしない爆発が起こったのにも関わらず死者がゼロ。それを奇跡だ、と言ったのは誰からだったか。連日ニュースでもさんざん騒がれていたっけ。
 俺だって、運が良かった。奇跡のようだ。そう言って胸を撫で下ろして終わりたかった。
 彼女の、おおむね計画通り!、と悪そうに笑って発した台詞さえなければな!
 思い起こせば、彼女には“この世界”のことを知っていると何度も何度も聞かされてきた。時には好きなアイドルを語るように。時には布教したがるオタクのように。それはもう耳にタコが出来るくらいには何度も何度も、朝昼晩問わずこの世界について話されてきたのだ。まったく記憶に残ってないけど。最近とんと聞かなくなったのは、もしかして俺が右から左に流していたのに気が付いたからか、と思っている。
 兎に角。そんな彼女だからこそ、あの奇跡みたいな結果は実は狙ってやったんじゃないかと思っている。計画通りって本人も言ってたし。
 尚更のこと、一番身近にいる俺は、最も彼女の良いように手のひらでコロコロコロコロ転がされている気がして仕方がない。

──盛大な勘違いと過大評価をされている気がして仕方がない。
「(ほぼほぼ事実だと睨んでますけど)」
──えぇー?ちょっと悪ノリしただけなのになー。

 不満そうに空中でゴロゴロされても困る。
 そしてさらに困っている現状に、俺は溜め息をこぼしながら空を見上げた。ああ、空が遠いです。そう現実逃避したところで、現実は変わらない。

 現在地は病院の中庭、のベンチに座っている。で、ベンチの下には何やら中身の入ったバッグが一つ。
 勘のいいガキは嫌われるそうなので、俺は鈍感なガキになりたかった。いっそバッグなんて気付かずに、更に言えばその中身になんて一切見当もつけずに、処方された薬を持って真っ直ぐ帰宅したかった。

──どうしようねー、この爆弾。
「(お姉さんが教えてこなければ、俺はそのまま帰れたんですけどね)」
──薄情だなー。そこはもう少し正義感に燃えて、俺がみんなを守ってみせる!くらいの意気込みを見せて欲しいところなのにー。
「(それこそ主人公のすべきことじゃないですか。俺はモブですよ)」

 逃げ惑う民衆の一人になりたい。
 あぁ、なんで俺はこんな時に風邪を引いてしまったんだろうか。よくよく思い出せば、四年前の爆弾とも今日にお会いした気がする。そしてその日も高熱だった。
 ……そうなんだ、今日も体温が高いんだよ。ぐらっぐらのくらっくらなんだ。
 実は俺、爆弾事件アレルギーとかそんなんじゃないかなって疑えてきた。
 でもって扁桃腺もやられているらしく、声もろくに出せない。さっきからの彼女との会話は、すべて心の声でお送りしています。彼女曰、頑張れば心くらい読める、らしい。俺はもうお姉さんのスペックに驚かない、絶対にだ。

「(……一刻も早く家に帰りたい人ー)」
──しーん。

 挙手したのは俺だけだった。

「(……この爆弾どうにかしたい人―)」
──はーいっ!

 背後霊が元気よく手を挙げた。こいつに触ることが出来たなら、その腕無理矢理にでも下ろさせてやるのに。
 民主制に乗っとり多数決に頼ってみたが、俺と彼女しかいない時点で結果が割れるのは知っていたことだ。それでもしておきたかった、自分の意思の主張をさりげなく。
 ちなみに有無を言わせず帰る、なんて選択肢はない。何故なら俺が少しでも帰ろうと動いた瞬間、両肩に彼女の手が置かれて物凄い力を込められるから。どこからそんな力が出るのか、ベンチから一ミリも動けなくさせられるのだ。なるほどこれが噂の金縛りか……。

「(どうにかしたいって言われても、俺にはそんな知識も技術も無いんですよ。下手に触って爆発したらどうするんですか?)」
──……末永く、仲良く空中散歩しよーか?
「(あ、俺は死んだら大人しくあの世に行く派なので遠慮しておきますね)」
──けちー。
 ケチじゃねーよ。

 さてどうすべきか。なんて、選択肢は一つしかない。
 ポケットからケータイを取り出して、少ない電話帳の中から割りと新しい段階で登録された電話番号に掛ける。数回コールが鳴った後、そのまま留守番電話サービスに切り替わった。何かメッセージを残しておくべきかと口を開いたが、俺は今声が出せないのでした、まる。咳一つ出ただけで終わった。とんだイタズラ電話だ。
 改めてメールの画面に切り替えて……。あ、むり。画面見るの気持ち悪い。吐く。俯くからか?見上げればオーケー?あ、関係無いわ、画面見てるだけで吐き気してきた。
 もう無理、諦めよ。それにほら、なんかもう眠いし。
 ざんねん!!おれの ぼうけんは これで おわってしまった!!よし おやすみ!!


「──……い、おい、起きろ」

 体を揺さぶられ、声を掛けられて目を開けた。どうやらまだ爆弾は爆発しておらず、俺は生きているらしい。
 眠い目を無理して開ければ、目の前に黒髪黒目で初めて会った頃より髪を短くしたタレ目のイケメンがいた。目覚めて最初に見ていい顔面じゃないな。なんでここにいるのこの人。

「不思議そうな顔してんじゃねーよ。イタ電してきたの、お前だろ?」

 イタ電……?品行方正な俺がそんなことするはずがない。人違いでは?

「ほらよ」

 ケータイの画面を見せられた。確かに俺が電話を掛けた履歴が残っている。ドッペルゲンガーの仕業では?

「お前な……。どれだけ認めたくないんだよ」

 冗談なので、そんなに呆れた顔をしないで欲しい。

「ん?声が出せねーのか?ああ、だからあの留守電で、病院に来てるのか。風邪でも引いたのか?そっかそっか、しんどそーだもんな」

 声が出せない代わりに、首を傾げたり縦に振ったり横に振ったりで意思表示をする。案外通じるものだ。
 さて、ここで一つ疑問が浮かぶ。
 俺の額に手を当てて熱をみたり、口を開けさせて喉の様子を見たり、手首をとって脈が早いなと言ったりしている目の前の男。彼はどうやってこの場を特定したんだろうか?当たり前みたいに居るけど、俺は居場所を伝えられていないんだが?
 ジッと見詰めていれば視線に気付いたらしく、どうした?と訊いてきた。どうしたもこうしたもないよお兄さん。

「ああ、俺がなんでここにいるのかって訊きたそうな顔だな。ヒントは“これ”だ」
「(ケータイ?)」

 目線の高さに持ち上げられた携帯電話。これの何がヒントになるんだろうか。GPSでも入ってるんじゃない?ってそんな馬鹿な。何を言ってるんだこいつは。

「正解はGPSで探し当てた、でした〜」
「(ストーカーかよ)」
「ストーカーじゃねーよ?!」

 本気でGPSだった。お巡りさんこの人です。しまったこの人がお巡りさんだったガッデム。
 そこから言い訳タイムが始まった。
 なんでもあの爆発事件の後、俺の親と会話する機会があり、その時に息子をよろしく頼むと言われたらしい。息子の俺ですら顔見てないし会話してないんだけど?
 GPSの機能も俺の親から譲り受けたというが、そんなのを渡す親も親だが受け取る人もどうなのよ。そもそも、俺は親にGPSを付けられていたのすら知らなかったんだが?え、お姉さんは知ってたって?教えろよ。教えられた瞬間に発信元ぶっ壊すから。

「そんな不満そうな顔するんじゃねーよ、親心ってやつだろう?」

 なんでGPSと親心が繋がるのかよく分からなくて頭を捻ると、まぁわかんねーか、とお兄さんに苦笑された。なんで。
 GPSの設置場所として一番怪しいのは、毎日肌身離さず持ち歩いている俺のケータイ。元々そんな機能は無いので、後付けで何か仕込んだに違いない。仕方がないので逆パカしてやろうとしたら、お兄さんに慌てて止められてしまった。ケータイは渋々ポケットの中に仕舞う。家帰ったら分解しよ。

「とにかく!近くまでこれを頼って来て、咳をしてたから病院だろうと当たりをつけて来たってわけだ。どうだ?中々冴えてるだろ?」

 出来れば褒めたくない気分だったが、得意気な顔で笑うので心の籠らない拍手を送ってあげた。後ろでは彼女が惜しみなく喝采を博していたので、プラマイ0だろう。

 それはともかくとして。
 未だに俺の体調を心配してくれているお兄さんの裾を引っ張り、目をこちらに向けさせた後に口許に人差し指を当てる。そうして、その指をそのままベンチの下へと向けた。
 俺の意図を汲み取ったお兄さんは口を閉じ、静かにベンチの下を覗く。そこにあるバッグに一瞬動きを止めて、その動揺が嘘みたいに落ち着いた様子でバッグの中身を改めた。
 そこからの行動は早かった。
 素早く立ち上がると、四年前ほど小さくはない俺をひょいと軽い調子で抱えて、ベンチが視界におさまる少し離れた場所に移動してどこかへと電話を掛ける。丁寧な言葉でやり取りをしていたので、恐らく上司だろう。
 後はお兄さんたちに任せれば良いかとうつらうつらとし始めた時、お兄さんが「はぁ!??」と大声をあげた。肩がビクッとなったんですけど。目も覚めたわ。お兄さんをじとと見れば、スマンスマンと表情だけで謝ってきた。

「……失礼しました、それは本当ですか?……はい、はい。ホントにあいつは……、いえ、分かりました。俺からも連絡してみます」

 この場の爆弾以外にも、何か問題が起こっているらしい。周りをぷかぷか彷徨く彼女も、心なしか不安そうに彼の様子を見ている。
 お兄さんは一旦通話を切り、別の誰かに掛けようとして手を止めた。

「今回は、お前は先に避難しときな」

 抱えていた俺を下ろし、頭に手を乗せる。ここまできておいてそれはないでしょー、と彼女が不満を漏らすが、俺は聞き分けの良い子なので大人しく頷いた。
 また今度、俺のダチも一緒に美味いもの食いに行こーぜ、と頼もしい笑顔と俺の頭を撫でる大きな手。
 だから、それは、フラグだと、何度言えば……!



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