あ、ありのまま起こったことを話すぜ!気が付くと宇宙緑蛙の擬人体(幼体)になっていた。何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった……、頭がどうにかなりそうだった……。
 このネタこすり過ぎてマンネリじゃない?

 何はともあれ、転生&成り代わり&擬人化でありますかぁ。
 と暢気に受け入れたのは、小学校に入学する直前に入れられた養護施設の、階段を上から下まで転がり落ちた小学三年生の秋だった。その時一緒に遊んでいた子ども共々落ち、まさかそっちはそっちで赤ダルマだったと判明して驚いたのなんのって。
 うーん、あっちも成り代わりなんでありましょーか……?いやむやみに藪を突いてバイパー、じゃなかった蛇が出ても嫌でありますから、その点はまぁぼんやりとね?

「つーわけで、ケロロもとい渡辺快呂々として目指すは地球侵略っしょ!」
「ハァ、貴様はいつでも元気だな」
「そういうギロロは草臥れているでありますなぁ。ホントに小学生?」
「……ほっとけ」

 近くの公園のジャングルジムの天辺を陣取り、空を指差し宣言するもギロロもとい中田義呂々は乗り気じゃないらしい。昔はあんなに侵略侵略と吾輩をせっついていたでありますのに。吾輩であって吾輩じゃないけど。
 ベルトが無いせいか?いやしかし、運動能力に問題はないように見える。
 ふぅむ、と顎に手を添え考えるも答えは浮かんでこない。まあ?別に?今はケロン人でもなく軍人でもなくただのペコポン人で、そこら辺にいるただの小学生でありますから?まぁちょっと身体の使い方と頭の使い方が分かるチートはあるでありますが。げろげろり。
 まずはご近所で噂のスーパー小学生となり、新聞やテレビといったメディアで顔を売り国中の人気者となってゆくゆくは地球侵略へと……、なんて考えていたけれど、ギロロのこの調子だと計画するだけ無駄な模様。どうやらダラダラと小学生をやっていても問題ないようでありますな!

 ……いーや!吾輩にそんな暇はないのであります!!
 この体になったからか、真正ほどではないにしても無性にガンプラが作りたい。前世では一度としてプラモデルなんて触れたこともないし、今世でもチラッとしか見たことがないというのにこの湧き上がる渇望は何ぞや!?
 しかしお小遣いをもらえる環境ではないこの現状、プラモデルなんて贅沢な買い物をするにはどう転んでもお金が足りない。そこで資金調達をどうするかといえば……。

「ご近所のお年寄りのお手伝いをして小遣い稼ぎ、が一番平和的な方法だよね〜」
「なんで俺まで……」

 溜め息吐きつつ不満は言うけど、何だかんだ付き合ってくれるあたりギロロってばお人好しであります。
 本日のお手伝いは近所のおばあさんに頼まれた買い物と、近所のおじいさんが足を捻挫してしまったからと頼まれた犬の散歩。分担し、吾輩は買い物袋を両手に下げ、ギロロが犬のリードを引っ張っている。それにしてもこの犬、ゴールデンレトリバーのようでありますがどことなくモア殿に似ているような。まぁ吾輩は会ったことはないんでありますが。
 その他頼まれるものとしては家事のちょっとした手伝いや帰って来ない猫の捜索なんかが主な内容。地道ながらもいい稼ぎと言えなくもない。
 始まりはただのきまぐれで、重そうな荷物を運ぶおばあさんを助けたらお駄賃として五百円がもらえた。施設の人間にも一応経緯を説明したが、自身の行動への対価なら大事に使いなさいとのこと。言質は取ったでありますよ?
 そうして味を占め、今に至るというわけで。
 まぁ、もらえる金額にバラツキはあるでありますし、なにも金銭ではなく現物支給で菓子や果物をもらうことも多々あるが、吾輩も近所のご老人も施設の人間もハッピーなwinwinwin。まさに理想的であります!

「おい、俺にとっての利点はどうした?」
「ゑ?ギロロもお小遣いもらってるよね!?まるで吾輩が賃金を独り占めしているかのような言い草には異議を申し立てるであります!」
「俺は別に金なんぞ……、ハァ……」
「最近溜め息が多いでありますよ?体調が悪いのであれば施設の大人に早めに伝えるであります」
「体調に問題はない」

 問題ないとは言うものの、犬に引っ張られる後ろ姿に力がない。どうにかしてやりたい気持ちもあるにはあるが、原因が分からなければ吾輩にはどうしようもないであります。一応様子は見ておくけれど、あとは本人次第というやつでありましょう。
 あ、引っ張られ過ぎて転んだ。重症でありますなぁ。

_ _
 元気が増えたことは良いことでありますが、だからって吾輩を仲間外れとか酷くない!?

 最近できた友人である鶴蝶殿は随分とギロロに懐いたらしく、そして懐かれているギロロも満更ではない様子。喧嘩を教えてくれと頼まれて、毎週土曜日に嬉々として鍛えているようだ。
 楽しそうでありますな、と訊けば「アイツは良い戦士になる」だそうで。戦士と書いてソルジャーと読むのを久し振りに聞いたであります。
 どうやら昔の調子が戻ってきたようで良かった良かった。
 ……で、終わらせられるかぁッ!
 地面ダァンッ!!は、したところで自分の拳を痛めるだけなのでソッと包み込み、四つん這いで地面に向けて心の中で叫ぶに留める。ブラジルの人、聞こえますか〜!
 毎度毎度、吾輩だけおいて遊びに行くなんて酷いであります!近所のご老人方からも「ケンカでもしたの?早く謝って仲直りするのよ?」と言われる始末。ナチュラルに吾輩に非があるのなーんで?
 ギロロに直談判したところで「そもそも遊んでいるわけではないし、そして貴様は真面目に鍛錬しないだろう」とか言われて変わらず置いて行かれたし……。鶴蝶殿も申し訳なさそうな顔をしてくれる割に否定しないあたり、その意見に賛同らしい。まぁ吾輩自身も同意見でありますが。でもそれとこれとは別って言うかァ!

「いいでありますよ!吾輩は念願のガンプラ作りでもしているでありますから!!」

 孤独を嘆きながら、新渡戸稲造殿と福沢諭吉殿を一人ずつ握りしめて辿り着いたのは大型の複合商業施設である。その中の玩具売り場に駆け込み、一角を占めるプラモデルたちを見上げて吾輩のテンションは爆上がりであります!!
 右を見てもプラモデル、左を見てもプラモデル。うず高く積み上げられた視界を占めるプラモデルたちに、はぁ〜〜、視界が幸せぇ〜〜。顔が緩むのを止められないであります!
 買うものは事前に決めて来たけど、まぁ見るだけならタダだからね。今の内に目星をつけて、将来がっぽり稼いで大人買いであります!いまのところ何の将来設計もしてないけど別にいいよねッ!

「ありがとうございました〜」

 間延びした店員の声を背に、買ったばかりのガンプラの箱を大事に抱えて玩具屋を出て、スキップしながら街中を進む。
 念願のガンプラ、であります!なんかタイトルコールっぽい。
 しかし次の問題はどこで作るか。そしてどこに飾るかということ。施設で作るには、ガンプラ作りはあまりにも繊細な作業。部屋は吾輩一人のものではなく集中力を欠くでありますし、それ以外の場所もやはり他の人間たちと共有。……切実に秘密基地が欲しいであります……。
 はぁ、現状は積んでおくしかないでありますなぁ……。

「今は手に入れられただけでも良しとするでありま、げろっ!?」

 何とか気を取り直し、知らず俯かせていた顔を上げたところで何かにぶつかったらしい。痛む鼻を擦りながら改めて前を向き、頭上からドスの利いた声が降ってきたことで何かが誰かであることに気が付いた。

「あ゛?なンだこのガキ」
「ピェ」
「ぶつかっといて詫びもなしかぁ?あ゛?」
「も、申し訳ないであります……」
「聞こえねェなぁっ!?」

 これだから不良って嫌いなのッ!
 小学四年生、その中でも身長が低い幼気な吾輩に向かって恫喝してくるのは、見るからに不良の高校生三人組である。随分高い位置から見下ろされ脅され、まるで一時期流行っていたペンギン画像のよう。間違ってもそんな可愛いもんじゃないでありますが。
 吾輩がケロロじゃなかったら恐ろしさの余り号泣してたところであります!半泣きで済んでるの誰か褒めてくれてもいいんじゃない!?
 軽く現実逃避している間も、不良たちはずっと何か言っている。ちょっと何言ってるか聞いてなかったでありますが、要はぶつかった際に骨が折れたから治療費を寄こせということらしい。吾輩のような児童にぶつかられて折れる骨とは貧弱貧弱ぅッ。

「そんなこと言われても、小銭程度しかないであります……」
「はぁ?」
「ホラホラ、このとーり」

 緑地に黄色い星マークの付いたガマ口財布を大きく開き、中に残っている小銭を不良たちに見せ付ける。しけてんなと言われても困るであります。そもそも先ほど大きな買い物をしてきたばかりだし……。
 そんな思考が視線に表れたのか、不良の一人が吾輩の抱えているガンプラを目敏く見付け引っさらわれた。奪い返そうとピョンピョン跳ねるが、身長の差で全く届かない。キィッ!ケロン体であればこの程度の跳躍お茶の子さいさいでありますのにぃッ!!

「こんな下んねーのに金使ってんじゃねーよ」

 そう吐き捨てると、あろうことか、あろうことか不良は、ガンプラを車道に向かって投げ捨てた。これが漫画やアニメであれば、1カメ2カメ3カメと切り替わり複数の視点から捉える瞬間だろう。
 そしてガンプラは通りかかったバイクに無残に轢かれた。

「??!!キャァァァァァァッ!!??」

 どこから出ているのか自分でも分からない高音の悲鳴が響く。
 形振り構わず駆け寄り拾い上げたガンプラは、外箱がベッコリと凹みタイヤの跡が付いていた。真っ白な頭のまま軽く振れば、カラカラと細かい音が聞こえてくる。破れて開いていた箱の隙間から零れてきた白い破片は、おそらく大事な大事な翼部分の欠片であり……、え?は?ちょっ、……フフ、オソラキレイ……。
 受け入れ難い現状に分かりやすく逃避に走るが、周りから向けられる馬鹿にした笑い声に意識が現実に戻る。戻ったついでに堪忍袋の緒がぶちっと切れた。
 ゲラゲラ笑い続ける不良にフラフラと歩み寄る。顔には薄っすらと菩薩のような笑みすら浮かべて。
 不良の内の一人の目の前で立ち止まり、見上げた先の男が理解し切れず間抜け面を晒しているのを視界に収めて、

「チェストォッッ!!」
「ビョ……ッ」

 情け容赦なく目の前の股間に一撃を見舞わせる。それを続けざまに三人分。
 こら作らるることのう粉々になったガンプラん分!こら折角ん楽しみば無慈悲に奪われたおいどん分!!これもおいどん分、いっそ全部おいどん分……ッ!!!打つべし打つべしィッッ!!!!

 ……気付くと不良三人が地面に横たわっていた。股間を抑えて、青い顔で泡を吹き、白目を剥いている。え……、何コレこわ……。

「オマエやっぱ強いじゃん」
「ハッ……!その声は我が友、イザナ殿!?」
「一々芝居がかっててウザイ」

 はわわと焦る中、知っている声に勢いよく振り向けばいつの間にやら学ラン姿のイザナ殿が近くに立っていた。鶴蝶殿からギロロ伝で進学したことは聞いていたでありますが、学生服を着ていると実感が湧くでありますなぁ。
 その隣には背の高い黒髪の、イザナ殿と雰囲気のよく似た男性が並んでいる。家族でありましょーか?
 「聞いてよイザナ殿ォ〜」と涙ながらに駈け寄れば、無言で顔を鷲掴みにされて近付くことを拒否された。うごうごと動いてみるも握力が緩まることはない。見事なアイアン・クローであります!しかし頭蓋がミシミシと音を立てているのでそろそろ手を離してほしいでありまぁッす!!
 ギブギブと腕を叩いても離してもらえず、解放されたのはイザナ殿がご家族に窘められて漸くだった。吾輩の顔歪んでない?大丈夫?

「イザナがごめんな」
「だ、大丈夫であります……」

 痛む顔を片手で抑えながら蹲る吾輩に、イザナ殿の家族、おそらく兄上殿の声がかかる。吾輩の頭を撫でる手は慣れた様子で、兄であることに間違いはないようだ。

「あと、ソレも」
「え?」
「それ踏んだの、オレとイザナが乗ったバイクなんだ。いきなりだったから避け切れなかった。悪ぃ」
「……えッ!!?」
「うっせ」

 顔を顰め耳をふさぐイザナ殿には申し訳ないでありますが、そんなことを気にしている場合ではない。
 ガンプラを投げられ踏まれてしまったのは確かに悲しいことではあるけれど、急に物が飛んできたバイク側が大事故に繋がっていた可能性を考えればそんなことはどうでも良いと言い切れる些末事である。吾輩にどれだけ負のピタゴラスイッチを味わわせるつもりかこの不良共!イザナ殿とそのご家族にまで害をなすとは許すまじであります!!
 もう二三度踏んづけてやろうかと不良を睨むが、その先ではイザナ殿が既に二三度どころでなく蹴りつけていた。……まぁ当人でありますからね!当然の報復と言うやつでありますから!!ねッ!!!

 しかしこれ以上はヤバいので後ろから腰に抱き着き止めに入る。身長が足りず羽交い絞めには出来ないものだから、自由な両腕が抵抗のために吾輩の頭部を殴ってきて痛いのなんの……。だからと言って離すわけにもいかず、ズルズルと引きずって兄上殿の所まで戻った。「イザナ引きずるとかヤベー」ではなく止めるのを手伝ってほしいであります。
 数分後にようやく落ち着いたイザナ殿が、顔面ボコボコになった吾輩を見て抱腹絶倒したことは当分根に持つでありますよ、げろぉ……。

 殴られた顔を冷やすためにと、三人連れ立って近くにあった公園に入る。土曜の日中ということもあり他にも子どもが数人、その保護者だろう大人も数人いた。吾輩の顔を見るなり子どもも大人もヒソヒソヒソヒソ……、失礼にもほどがあるであります!
 水飲み場に着くと、意外なことにイザナ殿が率先してハンカチを水に濡らしてくれる。まぁケガの原因は九割イザナ殿でありますし、内心申し訳ないと思っていたのかもしれない。ちょっとほっこり。
 そんな和んだ気持ちも、顔全面に置かれたハンカチで台無しでありますが!息が出来ないとさすがの吾輩もツラいであります!!
 ケタケタ笑うイザナ殿に地団駄を踏んでいると、困り顔の兄上殿が改めて吾輩の顔に冷えたハンカチを当ててくれる。そうそう、正しくはこうであります。イタズラが過ぎるイザナ殿は兄上殿を見習ってほしいものでありますよ。

「イザナもいつもはこんなじゃないんだけどな。えー、と」
「吾輩、イザナ殿のオトモダチの渡辺快呂々であります。ケロロと呼んでほしいであります」
「オレは佐野真一郎だ。よろしくな、ケロロ」
「よろしくであります、真一郎殿!」

 ニカッと笑う真一郎殿に、吾輩も笑顔を返す。なんとも気持ちのいい青年であります!
 そんな吾輩たちの微笑ましいやり取りの横で、イザナ殿は眉間に皺を寄せ変な顔をしていた。げろげろ。おやぁ〜?嫉妬でありますかぁ〜?イザナ殿にも可愛いところがあるでありますなぁ〜。
 あまりにも顔に出し過ぎたらしく、イラついた様子のイザナ殿にニヤニヤすんなとド突かれた。
 イザナ殿は吾輩を軽率に殴りすぎだと思うであります!


 真一郎殿という新しい知り合いも増え、イザナ殿の新たな一面を知ることも出来、ほくほくとした気持ちで施設に戻った。……ボロボロの粉々になったガンプラを小脇に抱えて。
 それを見たギロロに「金を無駄にするな!」と怒鳴られたが、しかしこれに関しては吾輩に非はないはずであります。違うもん吾輩悪くないもん!と主張するも赤ダルマはこちらの言葉を聞いてくれず、あろうことか「もう知らん」と肩を怒らせ遠回しの絶交宣言を突き付けてきた。
 そ、そっちがその気なら、吾輩だってもー知らないであります!!

「いや、だからってこっちの施設に来るんじゃねーよ」
「イザナ殿まで吾輩に冷たいであります!」
「は?わざわざ見つけて拾ってやったのにそんなナマ言ってんなら、オレの部屋からも出てくか?」
「イザナ殿はとっても優しいであります!」

 ぎゅるんぎゅるんの手の平ドリルなどと気にしてはいけない。
 ギロロと喧嘩し施設を飛び出し、持てるYDKポテンシャルを遺憾なく発揮して近いわけでもないイザナ殿がいる施設まで走り続け敷地内に忍び込んだ、のは三十分ほど前のこと。さすがに建物の中に入るのは憚られ、夜も更けて木の陰で膝を抱えていたところをイザナ殿に保護してもらったのはつい五分ほど前である。

「タオル貸すから顔拭けよ」
「鶴蝶殿も優しい……」
「そんなべしょべしょに泣いてたらオレじゃなくてもタオルくらい貸すだろ」
「そこにいるイザナ殿は笑うだけだったでありますが?」
「それは、まぁ、イザナはイザナだから」

 成程わからんがわかる気もする。
 気まずげに鶴蝶殿が視線を逸らす中、件のイザナ殿はベッドの縁に座りニヤニヤと楽し気だ。吾輩がこんなにも悲しんでいるというのに、イザナ殿は酷い人間であります。もしもイザナ殿がべっしょべしょに泣いたら、吾輩も笑ってやるんだから!
 鶴蝶殿に借りたタオルで顔を拭い鼻をかんでスッキリすれば、少しばかり気持ちも落ち着いた。そんな嫌そうな顔をしなくても、タオルは後で新しい物を用意するから安心するでありますよ鶴蝶殿。

「それで?ギロロと連むのはやめて、オレの下僕になりに来たか?」
「イザナ殿ったら、すぅぐそういうこと言うんでありますから、まったくもう!」
「いいじゃねーか、アイツはアイツで下僕を増やしてるんだろ?」
「別にギロロにそのつもりはないでありますよ」

 ハンッ、と鼻で笑うイザナ殿は中々の情報通らしい。
 イザナ殿の言う通り、表立って取り巻きにはしないもののギロロには部下がゴロゴロといる。部下と言うより舎弟と言った方がよく似合うが。その大半はギロロに喧嘩を売って負けた連中であり、ギロロの強さに惚れて下についたというもの。ギロロの拳は桃太郎印のキビ団子だった……?
 ちなみに、イザナ殿を襲った連中ももれなくギロロの舎弟と化している。今日も元気にどこかで訓練か社会奉仕活動でもしてるんじゃない?吾輩には関係ないことでありますが。

「まぁ、何だかんだ吾輩を見捨てられないのがギロロでありますよ。
 きっと明日には迎えに来るでありますから、今日のところはイザナ殿の布団にお邪魔するであります。ホラホラ、詰めて詰めて」
「ハァ!?勝手に決めんな寄ってくんな、狭いだろ!」
「ケロロ、イザナが困ってるだろ。オレの方の布団に来ていいぞ」
「いやいや、鶴蝶殿に迷惑をかけるわけにはいかないでありますから」
「オレにも迷惑かけんな!」

 ぎゃんぎゃん言う割に吾輩を押し出そうとする手に力なんてほとんど入っていないのだから、イザナ殿もギロロと一緒で素直じゃないでありますなぁ。
 鶴蝶殿もそれが分かっているらしく何とも温かい目でイザナ殿を見ていて、それに気が付いたイザナ殿から顔面に枕をぶつけられて背後のベッドに倒れ込んだ。投げた本人としても思ったより力が入り過ぎたと思ったようで、ちょっと申し訳なさそうにしながらも謝れないイザナ殿はやっぱり素直じゃないであります。

 ぐっすり眠った翌日、思った通りギロロが連れ戻しに来たのをドヤ顔で迎え入れたら、イザナ殿がそれはもォ〜つまらなそうな顔をしていた。これが吾輩とギロロの絆であります!まぁ、当のギロロには「手間を掛けさせるんじゃない!」と顔面に一発拳を見舞われたでありますが、今はもろもろ許してあげるでありますよ!!


 なんてやり取りがあった二年後。
 大雨にテンション爆上げして走り回ってたら、べっしょべしょに泣いてるイザナ殿を拾ったんでありますが、これはさすがに笑えんて……。


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