「ああああああああ!!!」
「いやああああああ!!!」
シロたちが乗っていたトビウオは派手な音を立てながらハウンドペッツの後方に突っ込んだ。
「なんだお前、もっとうまく操縦しろよ!」
「できるか!トビウオだぞおめーが突っ込めっつったんだろ!?」
あの勢いでスタッと着地成功!…なんてするわけもなく、トビウオの外に投げ出されたシロはなんとか受け身を取るも額を打ち付けてしまった。すっ飛んでいったキャスケット帽とサングラスを回収し慌てて装着しているとルフィがケイミーを呼ぶ。
顔をあげると離れたステージの上、水槽の中にケイミーが囚われていた。駆け出すルフィを止めるのはハチだ。爆薬が入った首輪が嵌められているから連れ出せない、それにいま“天竜人”が絡んでいると必死にルフィを引き止めようとするハチに、どこからか悲鳴が上がる。
魚人だということがバレてしまったのだ。
気持ち悪い、存在が怖い、海へ帰れ化け物、と、人々はハチを非難し始める。
先ほど聞かされた差別を目の当たりにし、悔しさのあまりシロが唇を噛み締めたその瞬間。
銃声が響き渡り、ハチが倒れ込んだ。
天竜人の仕業だ。
ひゅ、と息を飲んで、目を見開く。
これが世界の頂点に君臨する天竜人か。
800年もの年月と、環境が仕立て上げた怪物。
何が誇り高き気高い血族だ。存在が不愉快だ。何故こんな奴らに膝をつきひれ伏さなければいけないんだ。
内心では悪態を吐くも、シロはその場から動けずにいた。手を出せばどうなるのかなんて知っている。大好きな仲間たちに迷惑をかけるし、何よりローの進む道を妨げることはしたくない。
なんて無力なんだろう、と、血の味がするのも構わず、唇を噛み続ける。
でも、彼は、ルフィは、やってしまったのだ。
ハチを撃った天竜人を、力の限り殴りつけた。
何をやっているんだと驚く一方で、よくやったと清々しい気持ちにもなった。端から見ればイカれているといっても過言ではない行動だったのに、シロはそう思わなかった。
そんな自分もきっとイカれているのだと苦笑しながら我先にと逃げ出そうとする観客たちをかき分け、倒れているハチの元へと駆け出す。
「オイ」
「ひっ…キャプテン!?なんでここに!?あ、そういえばヒューマンショップに行くって…!!」
ーーも、ドスのきいた声で呼び止められ、その人物に気が付いたシロは思いっきり表情を引きつらせた。
怒っている。めちゃくちゃ、怒っている。
「キ、キャ、キャプテン、あの、これにはふかーい事情があってね……?」
「その事情は後で、詳しく、聞いてやる」
ペンギンとシャチから同情したような視線を向けられた。ローのお説教は長いのだ。夜ご飯が食べられないかもしれない、とがっくり肩を落とした。
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