One-eyed evil
「ねぇ。シュヴァーン‥さん。」
「‥どうしたんだ、ニコラ。」
ニコラが声をかけると、ツカツカとヒールを立てながらシュヴァーンに近づく。
ニコラは背が低くシュヴァーンは背が高いため必然的に踵を上げ背伸びをしては顔を覗く。
否、顔ではなく‥彼の髪で覆われていない右目を。
「じー‥。」
「?」
「いや‥キレイな目してるよねって思って。」
深緑の目。まるで吸い込まれそうな色をしている。
そのまま覗き込むように背伸びをしていると、頬に感じる手。
自分のではないとなると、その手は目の前にいる男。シュヴァーンである。
「あ、あの‥シュヴァーン?」
「ニコラの目は黒なのだな‥。」
彼女の白い肌に映えるような黒い髪に同じ黒の目。
頬に触れられじっと見られてしまう。いつもはあまり感じないのに、柄にもなく照れてしまう。
彼女の頬が少し赤を含んだ。
急に恥ずかしくなってなんとかこの場を何とかしたいと目を反らすと、くいっと上げられる。
「目を反らすな‥。」
「!」
言われた内容は命令っぽいはずなのに、トーンはあくまで優しい低い声。
そのまま言うことを聞いてしまったら、そのまま唇に熱を受けた。
驚いて反射的に離れそうになったが、意地悪な笑みに思わず頬を赤らめ反射に遅れては小さなリップノイズを立てては頬をするりと撫でてきた。
「んっ‥!」
「そう‥いい子だ。」
意地悪な笑みを浮かべれば優しい笑みも浮かべつつも頬を撫でてくる。
そんな瞬間を初めて見たかもしれない。
思わず、どきりとした。
イジワルな眼
(あぁああ‥あの‥っ、わ‥私に‥今)
(あぁ、したな‥此処に。中々可愛らしい反応をするんだな)
(な‥っ!)