私は気分が上場のまま、鞄を持ち出しては保健室に足を進めた。
「アルヴィンせんせー。」
「おー。ニコラじゃねーか。」
ドアを開けて扉の向こうにいたのは、私のコイビト。
彼に会いたくて会いたくて、こうした時じゃないとちゃんと会えない。
しかも、先生は他の女子に人気者だから二人っきりって本当に短い時間しかない。
でも、その短い時間を大事にしたくてこうして会いに行っている。
「ご飯、一緒に食べませんか?」
「あぁ、いいぜ?」
弁当箱を取り出して、ささやかなお話とかして。
純粋不純関係なく、こうした和気藹々とした空間は大好き。
ご飯食べて、何気ない会話とかして。
コイビトの時間は、後に。
だったのだが、アルヴィンが中途半端に開いたニコラの鞄の隙間から見えた箱が気になったようで手に取った。
それは、菓子箱だった。
「…なに、これ。」
「ん?何って…見たまんまだけど?」
プレッツェルをチョコでコーティングされたスティック菓子。
元々お昼や放課後に軽く摘みたいからいつも何かしら入っていたが、
最近ニコラはチョコ菓子にハマりだして今回がただそれだった、ってだけ。
なのに、何か思いついたらしくアルヴィンは箱から袋を手にとっておもむろに開けた。
そして、一本だけ取り出して。
「…なぁ、ニコラ。」
「はい?」
「これでひとつゲームしねーか?」
手には一本のスティック菓子。
なのに、にやにやとメガネ越しに笑うアルヴィンが、何処か様子がおかしくて。
「…コレで?」
「あぁ。」
念のために確認したが間違ってなかった。
だがアルヴィンの提案が急すぎて、何か不純な何かをイメージさせる。
思わず身構えたが、『そんな構えんなよ』と肩をぽんぽんと叩かれて解くほか無かった。
「…変なこと、じゃないですよね?」
「いいから。」
「むぐっ。」
私の問いに答えずに唐突に菓子の先端を銜える形になり、
アルヴィンはもう片方の先端を持ってニヤリと笑みを浮かべて一言。
「離したら負け、な?」
「!!」
それを言った直後にアルヴィンも銜えた。
余りに急な事に、私は突然ドキドキと鼓動が煩くなった。
(どうしよう…顔が近い近い!)
しかも、これって巷で有名な恋人ゲエム。
どうにかしようにも負けたくない気持ちもあり、離すに離せない。
だからって、このままでは確実にキスをされてしまう。
そんな葛藤に襲われていると、ポリポリとアルヴィンは着実に菓子を食べていっては距離を縮めてくる。
気付けば、距離は5センチも無くて、鼻同士が触れ合う位置にまで近づいていた。
(あぁ、もうキスされる!絶対される!!)
もうダメだ、離そう。と思った瞬間。
後頭部を抑えられ、一気に唇まで到達しては口付けを交わしていた。
「んんっ?!」
キスを受け、負けにはならなかったので離れようとするが、
後頭部をくいっと抑えられて離すに離せない。
「ン…ふ…、…っ。」
ディープではないものの、長い長い口付けに酸素が欲しくなり、限界が近くなればどんどんと胸元を叩く。
名残惜しそうにそっと開放されれば、ニヤリと笑みを浮かべるアルヴィン。
「くくっ、ご馳走さん。」
メガネ越しにニヤリを笑みを浮かべるコイビトの先生が。
酷く色っぽいというか、妖艶というか。そんな風に見えてしまって。
どくどくと鼓動が煩くなっていた。
11.11.11
(な、なんでこんな…っ!)
(だって俺、ニコラとキスしたかったからなぁ?)
(も、もう…っ!)
アトガキ
有名なぽっきーげーむネタ。
何番煎じだよと言われても仕方ない。
今までイベント系は書かなかったのですけど、
今日って11.11.11というある意味凄い日だったのでちょろっと。
因みに15日までフリー。
飾る際は書いた主をどこかに記載しておいて下さい。
一言申してくださると喜びます!えぇ、そりゃもう!←
111111 海月緋斗