キラリとヒカル
傍からみればそうだろうけど。実際は違うの。
「なぁ、ニコラ。」
「なに?アルヴィン。」
「一緒に買出しでもしね?」
「あ、うん。いいよ。」
傍から見れば男女の仲。またはコイビトというだろうが。
実際は正式に付き合ってはいない。
だって、お互いに告白をしていないからだ。
さらっとアルヴィン以外のみんなに言ったら凄く驚かれたことを良く覚えている。
アルヴィンのことだから、もっといい人だっているだろうし、なんか自分から告白なんて出来ない。
色んな不安がある中、私から告白して玉砕なんて、多分立ち直れない。
好きだから、余計に負った傷は大きく深いだろうと。
「アルヴィン。」
「…ん?」
今はただ、こうして一緒にいるたけでも幸せ。
この幸せが崩れたら、なんて恐怖を味わうより。
嘘でもいい、ささやかな幸せにしがみつくしかないんだって。
「私たち、友達…。なんだよ、ね?」
「ん?なになに?友達以上なことしたいワケ?」
「そそ、そんなんじゃないって…!」
やっぱり。私には無理だよ。
レイアやエリーゼは『言った方がいい』なんて言われるけど、アルヴィンは大人だから。
私より、綺麗な人も素敵な人もいっぱいいるだろうと思ってたから。
「…あ、店主。そいつをくれ。」
「?」
そう思っているとアルヴィンはアルヴィンで買い物をしていた。
アルヴィンが手に取った物は、きらりと光ってて、綺麗な、ソレは。
「ペン、ダント…?」
「そ。」
「…なんでまた?それ、女物のだよね?」
「そりゃ、なぁ…」
『誰に?』なんて聞けなかった。
私であればこれ以上嬉しいことなんてないけれど、私の名前を呼ばれるなんて思わなかったから。
誰か想い人がいるのか、と思えば急に気分が重くなる。
「それ、誰かにあげるの?」
「あ、あー…そう、だな。」
なんでか、はっきりと言わずに誤魔化すような素振り。
その様子に益々私は気を落とすしかなかった。
(だって、誰かにあげるなら絶対言えないよね。)
(何、期待しちゃってんだろ。私。)
「じゃあ、…私。そろそろ、」
「待てよ。」
手をくいっと引かれて、ぴたりと止まる私の足。
『何?』と顔だけアルヴィンに向けて、顔を見ないようにする。
「ちょっとこっち向けよ。」
「…え?」
くいっと向かされ、首を覆う形でそっと触れる。
びくりと震え、恐る恐る顔をあげれば何処か嬉しそう。
「んー。やっぱり似合ってんな。」
「え…?」
軽くだけど首に掛かる重みに違和感を覚えて、俯いて見れば先程のペンダント。
何が起きたのか、判らなかった。
「何?俺がニコラにプレゼントじゃ変?」
「…う、ううん。ただ…嬉しかった。」
予想外の事に固まってしまい、それが事後にじわじわと頬が赤くなる。
してやったり、と笑みを浮かべたアルヴィンは満足げにわしゃわしゃと撫でてきた。
撫でられながら、きらりと光ったアクセサリーを大事に触れた。
キラリとヒカル
(これ…私にのだったの?)
(そりゃニコラもたまに女の子らしくしないとな?)
(…っ、ずるいよ…!)