偶然不運はある意味幸運


いつもいつも、絶好調とは限らない。
今日は、たまたま不運だっただけで。



「アルヴィンー。大丈夫?」
「今のとこはな…。コート、あとでクリーニングに出さねぇと。」



そういって、部屋でごちるのはアルヴィンだった。
というのも、戦闘で水の精霊術を使われ、私はかわせたが、アルヴィンに流れ弾が食らったのだ。

その結果。私は無事でアルヴィンはずぶ濡れ。
戦闘は無事に終えたものの、街に戻り宿を取ればアルヴィンはすぐさまに風呂に入った。

濡れてしまったコートは、アルヴィンが居ない間、壁にかけておいた。



「まさか、水をモロに被るとは思わなかったわ。
あとでちゃんとあったかくしないとね?」



丁度下には食堂もあるし、アルヴィンは意外と丈夫だから大丈夫だとは思う。
今度の反省点と色々と思い出しながら、メモを取っていると、不意にペンが止まる。



「あぁ、そうだな。」



その際に、ひと浴びして少し濡れた髪を掻き上げたのだ。
普段から髪は後ろに流しており、前髪もほとんどは後ろに流している。

その髪を整える前だからか、くいっと掻きあげた仕草に思わずどきりと胸が鳴る。




「水も滴るなんとやら…。」




思わずひとりごちっていたら、アルヴィンにまじまじと顔を見られ。
反らした顔を向けさせられては、何処か嬉しそうな顔をされた。





偶然不運はある意味幸運
(あれ?ご主人さま?顔赤いぜ?)
(う、うるさい…。)